| サービス種別 | 児童発達支援 |
|---|---|
| 年齢・学年 | 4歳 |
| 利用者及び家族の意向 | 落ち着きがない、自分の話を聞いてもらえないと気が済まない、一斉指示が通りにくい、ワンテンポ遅れる |
| 児童の特徴 | 記録全体を見ると、山本秀彰君は「身体を大きく使う遊び」「職員とのやり取り」「戦いごっこ・ごっこ遊び」「揺れる・跳ぶ・登る・滑る活動」を通して、楽しく参加できる力がよく見えています。以下のように整理できます。 山本 秀彰君の好きなこと 秀彰君は、身体を大きく動かす遊びがとても好きです。特に、スポンジ棒、チャンバラ、戦いごっこ、鬼ごっこ、追いかけっこ、トランポリン、滑り台、平均台、バランスボール、風船遊びなどに意欲的に参加しています。 また、「鬼滅の刃」「オニノパンツ」「ヘラクレスオオカブト」「ゴジータ秀彰だ」など、イメージやキャラクターになりきって遊ぶことも好きな様子があります。遊びの中で言葉を出したり、職員を誘ったり、自分から設定を作ったりする力が見られます。 楽しいこと 秀彰君にとって楽しいのは、ただ運動することだけではなく、「誰かと一緒に盛り上がること」です。職員と戦いごっこをしたり、友達と一緒に活動したり、追いかけられたり、追いかけたりする中で、笑顔や大きな声が増えています。 特に楽しいと感じている活動は、次のようなものです。 ・スポンジ棒でのチャンバラ遊び ・風船を使った攻撃やバドミントン遊び ・トランポリンで跳ぶこと ・滑り台や段ボール滑り ・バランスボールやロディで揺れること ・職員に追いかけてもらう遊び ・「戦いモード」やキャラクターになりきる遊び 遊びの中で、身体を動かしながら想像力を広げることが、秀彰君の楽しさにつながっています。 嫌なこと・不安になりやすいこと 記録上、強い拒否や大きな不安は多くは見られません。初回や普段と少し違う環境では、周囲の様子を確認したり、少し緊張した様子がありましたが、職員との関わりや遊びを通して徐々にリラックスできています。 一方で、以下のような場面では気持ちや身体の調整が必要になりやすいと考えられます。 ・普段と違う雰囲気や環境 ・活動の切り替わり ・自分の思い通りにいかない場面 ・勢いが出すぎて身体のコントロールが難しくなる場面 ・戦いごっこで興奮が高まりすぎる場面 嫌がるというよりも、楽しくなりすぎたり、興奮が高まったりした時に、力加減や動きの調整が課題として出やすいタイプだと感じます。 苦手なこと 秀彰君は身体を動かすことが好きですが、動きの中でバランスを保つこと、力を加減すること、身体を思った通りにコントロールすることには課題が見られます。 特に、次のような苦手さが考えられます。 ・平均台や不安定な場所でのバランス保持 ・揺れる刺激の中で姿勢を保つこと ・力加減を調整すること ・勢いを止めること ・順番を待つこと ・左右の動きや手足の協調 ・体幹を使って姿勢を支えること ・前庭感覚、固有受容覚への刺激を整理すること また、記録の中では、前庭感覚、固有受容覚、触覚、協調運動などが繰り返し出てきます。これは、秀彰君の発達支援では「身体の土台づくり」が大切であることを示していると思います。 今後の課題 秀彰君の一番の課題は、好きな遊びを通して、身体のコントロール力と気持ちの調整力を育てていくことです。 具体的には、次のような課題が考えられます。 1つ目は、体幹とバランス力を育てることです。トランポリン、バランスボール、平均台、滑り台、ロディなどを通して、揺れる・跳ぶ・乗る・踏ん張る経験を積むことが大切です。 2つ目は、力加減を身につけることです。スポンジ棒や風船遊びは、秀彰君にとって楽しい活動である一方、力の入れ方、止め方、相手との距離感を学ぶ良い機会になります。 3つ目は、順番やルールのある遊びに慣れることです。楽しい気持ちを保ちながら、「待つ」「交代する」「相手を見る」「ルールを守る」経験を少しずつ積むことが必要です。 4つ目は、興奮した後に落ち着く力を育てることです。戦いごっこや追いかけっこの後に、ゆっくり歩く、深呼吸する、重いものを押す、マットに包まれるなど、身体から落ち着く活動を入れるとよいと思います。 5つ目は、イメージ遊びを発達につなげることです。秀彰君はキャラクターになりきる力があるので、その力を活かして「ヒーロー修行」「忍者バランス」「カブトムシの力比べ」など、本人が入りやすい設定で運動課題につなげると、意欲的に取り組みやすいです。 まとめ 山本秀彰君は、身体を動かすこと、職員や友達と関わること、イメージの世界に入り込んで遊ぶことが好きな男の子です。楽しい遊びの中では、自分から声を出したり、相手を誘ったり、全身を使って活動に参加する姿が見られます。 一方で、身体のバランス、力加減、順番を待つこと、興奮した時の調整には課題があります。今後は、秀彰君の「戦いごっこが好き」「なりきり遊びが好き」「身体を動かすことが好き」という強みを活かしながら、体幹・前庭感覚・固有受容覚・協調運動・自己調整力を育てていくことが大切 今回の発達検査の結果を踏まえると、山本秀彰君の課題は、単に「落ち着きがない」「座っていられない」「向きが分かりにくい」という見方ではなく、身体の発達・感覚の整理・注意の向け方・記憶の使い方がまだ育っている途中と捉えるのがよいです。活動記録では、身体を大きく使う遊びや戦いごっこ、トランポリン、風船遊びなどに意欲的に参加できている一方で、今回の検査では、姿勢・運動領域が発達年齢3歳1か月、発達指数55と低く、特に身体の軸や協調運動に課題が見られています。 山本秀彰君の課題 1. 身体の軸・姿勢保持の課題 秀彰君は、身体を動かすこと自体は好きですが、身体の中心軸、体幹、バランスを安定させる力に課題があります。 検査でも「体の縦軸、正中線が安定していないようです」とされており、左右の身体部位を別々に使う協調運動では、リズムがつかみにくい様子が見られています。 そのため、平均台、バランスボール、トランポリン、滑り台、ロディなどの活動では楽しめる一方で、姿勢を保つ、踏ん張る、止まる、力を調整することが難しくなりやすいと考えられます。 課題としては、身体をたくさん動かしながら、体幹・正中線・バランス感覚を育てることです。 2. 前庭感覚・固有受容覚の整理 活動記録では、トランポリン、滑り台、バランスボール、ジャンプ、追いかけっこ、戦いごっこなど、前庭感覚や固有受容覚を使う遊びに強く惹かれている様子があります。 一方で、動きが大きくなりすぎたり、興奮が高まったり、力加減が難しくなる場面もあります。これは、身体の中に入ってくる感覚刺激をうまく整理しきれず、もっと動きたくなったり、強い刺激を求めたりしている可能性があります。 課題としては、揺れる・跳ぶ・押す・引く・くぐる・登るなどの活動を通して、身体に入る感覚を整理し、自分の身体を感じる力を育てることです。 特に、ただ自由に動くだけでなく、 「止まる」 「待つ」 「ゆっくり動く」 「力を弱める」 「相手に合わせる」 という要素を少しずつ入れることが大切です。 3. 視覚情報に影響されやすい課題 検査では、視覚情報が入ってくると、思考の中で調整するより先に行動に移りやすい様子が示されています。物が目の前に出ると触りたくなる、見る前に注意を促すと制止が入りやすい、という説明もありました。 これは、普段の活動でも「楽しそうなものがあるとすぐに向かう」「戦いごっこになると一気にスイッチが入る」「目に入った刺激に反応しやすい」といった姿につながっている可能性があります。 課題としては、見る力を止めるのではなく、見てから考える力、聞いてから動く力を育てることです。 支援としては、 「まず見る」 「次に聞く」 「それから動く」 という流れを遊びの中で経験できるとよいです。 4. 聴覚的短期記憶・ワーキングメモリーの課題 検査結果では、視覚的な情報はイメージとして記憶しやすい一方で、音で聞いた情報や言葉だけの指示を頭の中に留めて作業することには苦手さが見られています。特に、4歳前後の発達段階で、言語理解は年齢相応に近いものの、聞いて覚えて処理する部分に課題があるとされています。 そのため、長い説明や一度に複数の指示が入ると、内容が抜けたり、途中で違う行動になったりしやすい可能性があります。 課題としては、言葉だけで理解させようとするのではなく、見える手がかり、短い言葉、確認しながら進める経験を増やすことです。 例えば、 「赤を取って、箱に入れて、座る」 のような三段階指示よりも、 「赤を取る」 「箱に入れる」 「座る」 と一つずつ確認する方が、力を発揮しやすいと思います。 5. 座って取り組む力・覚醒調整の課題 検査では、30分を過ぎると身体を動かすことが増え、離席や机を触る様子が見られたとされています。まとめでも、「長い時間座っていることは、体に刺激が入らない状態が続くので、脳の覚醒が下がってくる場合がある」と説明されています。 つまり、秀彰君にとって「座っていられない」は、意欲がないからではなく、身体を動かすことで脳を働かせようとしている姿とも考えられます。 課題としては、長時間じっと座らせることではなく、必要な場面で短く座る力、動いた後に戻る力を育てることです。 「動く時間」と「座る時間」を分け、身体を使った後に短時間の課題へつなげると、取り組みやすくなると思います。 6. 向き・左右・空間認知の課題 今回の検査では、「文字を左からではなく右から書く」「向きが察しにくい」といった姿が、体の縦軸や正中線の発達と関連して説明されています。 これは、単に文字や方向を教えればよいというより、身体の中で「右・左」「上・下」「前・後ろ」「中心」が感じられるようになることが土台になります。 課題としては、身体を使って方向を感じる経験を増やすことです。 例えば、 右手でタッチ 左足でジャンプ 真ん中を通る 線の上を歩く くぐる またぐ 左右に転がる などの遊びが有効です。 7. ルール・順番・力加減の課題 活動記録では、スポンジ棒や戦いごっこ、風船遊びなど、相手とのやり取りがある遊びを楽しめています。これは大きな強みです。一方で、楽しさが高まると、戦いモードが強くなったり、力加減や順番、相手との距離感の調整が課題になりやすいと考えられます。 課題としては、好きな戦いごっこを禁止するのではなく、ルールのある戦いごっこに変えていくことです。 例えば、 「頭は狙わない」 「合図で止まる」 「3回したら交代」 「相手が嫌と言ったら止まる」 「強い攻撃と優しい攻撃を使い分ける」 という経験を、遊びの中で育てていくことが大切です。 総合的な課題まとめ 山本秀彰君の課題は、以下の5つに整理できます。 1つ目は、体幹・正中線・バランスの発達です。身体の軸が育つことで、姿勢、方向感覚、手足の協調、落ち着きにつながります。 2つ目は、前庭感覚・固有受容覚の整理です。揺れる、跳ぶ、押す、引く、くぐる、登るなどの活動を通して、身体を感じる力を育てる必要があります。 3つ目は、聞いて覚えて行動する力です。言葉だけの指示では抜けやすいため、短い言葉、見える手がかり、確認しながら進める支援が必要です。 4つ目は、興奮と落ち着きの切り替えです。戦いごっこや追いかけっこでしっかり発散した後、止まる、待つ、座る、深呼吸するなどの調整経験を積むことが大切です。 5つ目は、ルール・順番・力加減を遊びの中で学ぶことです。秀彰君は人と関わる遊びが好きなので、その強みを活かして、相手を見る力、交代する力、力を調整する力を育てていくことができます。 支援の方向性 秀彰君には、「座りなさい」「落ち着きなさい」と行動だけを止める支援よりも、身体を使って脳を整え、その後に短く集中する支援が合っています。 今後は、本人の好きな チャンバラ 戦いごっこ トランポリン 風船遊び バランス遊び キャラクターになりきる遊び を活かしながら、身体の軸、感覚の整理、ルール理解、気持ちの切り替えを育てていくことが大切です。 まとめると、秀彰君の課題は「できないことを直す」よりも、好きな遊びの中で、身体の土台と自己調整力を育てることです。 |
| 方針 | 秀彰君の「なりきり遊び」への強い意欲を最大限に活かし、身体の土台である脊柱の柔軟性と正中線の安定を図ります。感覚統合遊びを通して、身体のコントロール力と感情の自己調整力を育み、集団の中でも自信を持って活動できる基盤を作ります。 |
| 長期目標 | 身体の軸(正中線)を確立し、自分の動きや感情を客観的にコントロールしながら、周囲との調和を図って楽しく活動できる。 |
| 短期目標 | 相同の動きや感覚遊びを通して身体の軸を意識し、興奮した状態から自ら呼吸を整えて落ち着く経験を積み重ねる。 |
| 提供時間 | 60分 |
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