| サービス種別 | 児童発達支援 |
|---|---|
| 年齢・学年 | 7歳 |
| 利用者及び家族の意向 | 話せる言葉が少ない、物を壊す、多動(迷子になる、いろんなものに気が散る)、水で遊ぶ(長い)、昼寝をしない、足の後ろの感覚鈍麻、指先でつまむのみの動作 |
| 児童の特徴 | 野々口瑛士くんは水・砂・泥・滑り台・ハンモック・トランポリンなど、感覚をしっかり使う遊びを好み、遊びの中で身体の使い方や集中力、切り替えが育ってきている様子が見られます。 好きなこと 瑛士くんは、砂場・水遊び・泥遊びがとても好きです。水と砂を混ぜたり、泥んこになったり、ホースの水や水たまりで感触を楽しむ姿が何度も記録されています。 また、滑り台、ハンモック、トランポリン、ブランコ、斜面遊びなど、前庭感覚を使う遊びも好んでいます。滑る、揺れる、跳ぶ、回るといった遊びの中で、身体の刺激を楽しんでいる様子があります。 そのほか、ボール遊び、投げる遊び、ラジコン、チョークや砂場での表現遊び、おやつ作りや食べることも楽しみにしている様子があります。 得意なこと・伸びているところ 一番大きく伸びているのは、感覚遊びを通して身体を使う力です。砂・水・泥・粘土・チョークなど、手指で感じる遊びをじっくり楽しめており、触覚や固有受容覚を使う経験が増えています。 運動面では、登る、滑る、跳ぶ、走る、バランスを取る、投げるなどの動きが少しずつ広がっています。特に、斜面を登る、滑り台を繰り返す、トランポリンで跳ぶ、揺れる遊具を楽しむなど、身体全体を使う遊びが得意になってきています。 また、遊びの中で集中して取り組む力も見られます。砂場で水を混ぜる、穴を掘る、箱に積み木を並べる、チョークで描くなど、興味を持った活動には落ち着いて取り組めています。 さらに、職員との関わりの中で、「ありがとう」「バイバイ」などのやりとりや、誘われた遊びに参加する姿も見られ、対人面の広がりも感じられます。 苦手なこと 苦手さとしては、まず初めての場所や見通しの立ちにくい場面での不安が見られます。川遊びや深い場所、岩場などでは怖さや慎重さがあり、職員の支援を受けながら少しずつ挑戦しています。 また、切り替えにも課題があります。好きな遊びを終える場面や、帰る場面、次の活動へ移る場面では、気持ちの整理に時間が必要な様子があります。 身体面では、バランスを取る動き、両手両足を協調させる動き、体幹を使って姿勢を保つ動きに引き続き支援が必要です。滑る・登る・またぐ・不安定な場所を歩く場面では、まだ慎重さや支えが必要なことがあります。 また、感覚面では、泥や水などは好きでよく楽しめていますが、場面によっては冷たさ、濡れる感覚、環境の変化に影響を受けやすい様子もあります。 課題 瑛士くんの課題は、好きな感覚遊びを土台にしながら、身体の使い方・バランス・切り替え・人とのやりとりを広げていくことです。 特に大切なのは、次の4点です。 1つ目は、体幹とバランス感覚を育てることです。滑り台、斜面、ハンモック、トランポリン、平均台のような遊びを通して、姿勢を保つ力や身体の軸を育てていくことが大切です。 2つ目は、上肢と下肢の協調性を高めることです。登る、またぐ、這う、投げる、引っ張る、押すなどの遊びを通して、手足を連動させる経験を増やしていくとよいです。 3つ目は、感覚統合を進めることです。砂・水・泥・粘土などの触覚遊びに加えて、揺れる・回る・跳ぶ・滑るなどの前庭感覚、押す・引く・踏ん張るなどの固有受容覚をバランスよく入れていくことが、情緒の安定や身体の使いやすさにつながります。 4つ目は、切り替えと見通しの力を育てることです。好きな遊びにしっかり満足したうえで、「あと1回」「終わったらおやつ」「次はこれ」といった分かりやすい声かけや流れを作ることで、安心して次の活動へ移りやすくなります。 まとめ 野々口瑛士くんは、水・砂・泥・滑り台などの感覚遊びが大好きで、遊びの中で身体を動かす力、集中する力、人と関わる力が少しずつ伸びてきているお子さんです。 今後は、好きな遊びを大切にしながら、体幹・バランス・協調運動・切り替え・見通しを育てていくことが課題になります。無理に苦手なことをさせるよりも、瑛士くんが「楽しい」「もう一回したい」と感じる遊びの中で、自然に身体と心の発達を支えていくことが大切です。 個別支援計画の流れを見ると、瑛士くんは、最初は**「水遊び・楽しい活動を通して気持ちを出す」**ことが中心でしたが、現在はそこから発展して、身体の土台づくり、粗大運動、模倣、リズム、他者理解、コミュニケーションの広がりへ支援の視点が深まっています。 個別支援計画上の大きな変化 以前の中心課題 以前の計画では、主に、 「話せることばが少ない」 「多動」 「水で遊ぶ」 「指先でつまむもの」 「運動トレーニング支援」 が中心でした。 つまり、支援の方向性は、 好きな水遊びや運動遊びを通して、安心して活動に参加すること、自分の気持ちを表すこと、身体を動かす経験を増やすことに置かれていました。 現在の計画で深まっている点 現在の支援記録では、領域がより整理され、 運動発達・身体活動 コミュニケーション の2つを中心に、発達の土台を見ていく内容になっています。 特に、身体面では、 脊柱の支援、粗大運動、片側・両側の協調、手足の連動、正中線を越える動きなど、発達段階に沿った視点が入っています。 コミュニケーション面では、 他者の活動を理解すること、言語の発達、模倣、リズム、口や舌の動きなどが支援内容に入っており、以前よりも「人との関わり」や「伝える力」に向けた支援が明確になっています。 伸びている部分 1. 好きな活動にしっかり向かう力 瑛士くんは、水・砂・泥・滑り台・ハンモック・トランポリンなど、好きな活動には強く興味を持って参加できます。 以前から「水で遊ぶ」ことは大切な支援内容でしたが、現在も水遊びや感覚遊びを通して、安心して活動に入りやすいことが分かります。好きな活動がはっきりしていることは、瑛士くんの大きな強みです。 2. 粗大運動の広がり 現在の評価では、粗大運動が少しずつできるようになってきていることが書かれています。 以前は、トランポリン、滑り台、ブランコ、大型遊具などを「経験する」「楽しむ」ことが中心でした。現在はそこから、身体の使い方として、 這う、登る、滑る、跳ぶ、揺れる、支える といった動きが発達支援の中で整理されてきています。 特に、脊柱を使う動きや、上肢・下肢を使った粗大運動への取り組みが進んできています。 3. 模倣する力・人を見る力 以前は、自分の興味のあるものに向かうことが中心でしたが、現在は、 他者の動きを見てまねる 音楽やリズムに合わせる 相手の動きに少し合わせる といった姿が出てきています。 これは大きな成長です。 「自分のしたい遊び」だけでなく、人の動きや声かけを手がかりにして活動する力が育ってきています。 4. リズムへの反応 現在の評価では、耳で追うリズム、音楽リズム、相手と合わせるリズムなどへの反応が見られています。 リズムに合わせて身体を動かすことは、コミュニケーションの土台にもなります。 「聞く」「待つ」「合わせる」「まねる」が含まれるため、瑛士くんにとってリズム遊びは有効な支援になっています。 5. 感覚遊びを通した安定 水、泥、砂、しゃぼん玉などを通して、触覚・前庭感覚・固有受容覚への刺激を受け入れやすくなっています。 特に、口の中の発達や舌の動きにもつながる遊びとして、水遊びやしゃぼん玉が取り入れられており、感覚遊びが単なる遊びではなく、発達の土台づくりとして位置づいています。 まだ苦手なこと・課題 1. 言葉で伝えること 個別支援計画では、以前から「話せることばが少ない」ことが課題として挙げられています。現在も、音声言語で気持ちや要求を伝えることには支援が必要です。 ただし、まったく伝えられないというより、 表情、動き、行動、好きな遊びへの向かい方で気持ちを表していると考えられます。 今後は、言葉だけを求めるのではなく、 「ちょうだい」 「もう一回」 「いや」 「おしまい」 「見て」 など、生活や遊びの中で使いやすい言葉を増やしていくことが大切です。 2. 片側の動き・左右の協調 現在の評価では、粗大運動は伸びている一方で、片側の動きや、左右を分けて使う動き、正中線を越える動きには課題が残っています。 これは、運動発達の段階で見ると重要です。 身体の中心軸が育ち、左右を分けたり、交差させたりする動きが育つことで、姿勢、手先、見る力、集中、ことばにもつながっていきます。 今後も、 寝返り、ずり這い、ハイハイ、またぐ、くぐる、斜面を登る、左右交互に動く遊び を継続していくことが必要です。 3. 細かい手指操作 以前の計画では「指先でつまむもの」が課題として挙げられていました。現在の中心は粗大運動に移っていますが、手指の発達は引き続き大切です。 ただし、瑛士くんの場合は、いきなり机上課題で手先を鍛えるよりも、 砂を握る、泥をこねる、水をすくう、泡をつぶす、食材を混ぜる、つまむ、入れる、出す といった遊びや生活の中で育てる方が合っています。 4. 気持ちの切り替え 好きな活動がはっきりしている分、活動の切り替えや、思い通りにならない場面では難しさが出やすいと思われます。 以前の計画でも、気持ちが落ち着くこと、安心して活動することが大切にされていました。 今後も、 見通しを持たせる あと1回を伝える 終わりの合図を決める 次の楽しみを用意する ことが必要です。 5. 人とのやりとりを広げること 現在は、模倣やリズムへの反応が伸びていますが、まだ自分から言葉でやりとりを広げる段階には支援が必要です。 今後は、 大人と一緒に遊ぶ 順番を待つ 交代する まねをする 一緒に笑う 「もう一回」と要求する といった、短いやりとりを遊びの中で積み重ねていくことが課題です。 個別支援計画として見た成長のまとめ 瑛士くんは、個別支援計画の変化から見ると、 「好きな遊びに参加する段階」から、「身体を使って発達の土台を育て、人との関わりにつなげていく段階」へ進んできています。 特に伸びているのは、 粗大運動、感覚遊びへの参加、模倣、人を見る力、リズムへの反応、好きな活動への集中です。 一方で課題は、 言葉で伝えること、左右の協調、正中線を越える動き、手指操作、切り替え、人とのやりとりです。 今後は、瑛士くんの大好きな水・砂・泥・滑り台・トランポリンなどを活かしながら、 身体の軸を育てる遊び、左右を使う遊び、まねっこ遊び、リズム遊び、短いやりとり遊びを継続していくことが大切です |
| 方針 | 本人の大好きな水・砂・泥・大型遊具などの感覚遊びを支援の主軸とし、やりたいことをやり切る体験を通して、身体の土台(脊柱・呼吸・感覚統合)を整えます。身体の柔軟性を高めることで、多動傾向や切り替えの難しさ、言語発達の課題に対して、運動療法的なアプローチから総合的にアプローチします。 |
| 長期目標 | 脊柱の柔軟性と呼吸のコントロールを身につけ、身体の連動性を高めることで、自分の感情を安定させ、他者とのリズムを合わせたコミュニケーションやスムーズな活動の切り替えができるようになる。 |
| 短期目標 | 相同の動き(両手・両足の連動)を安定させ、遊びの中でオノマトペやリズムに合わせた発声・模倣を楽しみ、活動の終わりに「やり切った」満足感を得られるようになる。 |
| 提供時間 | 1時間〜2時間 |
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