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基本方針・全体目標 (無題)

サービス種別児童発達支援
年齢・学年4歳
利用者及び家族の意向言葉が苦手、マイペース、好きなことはする(興味がないことはしない)、ボールを目で追えない、自分のボディイメージが弱い
児童の特徴以下は、**1年の生活記録で見えた姿**と、**発達検査・相談記録の内容**を合わせて整理した、総司君の「今の課題」と「必要な支援」です。

## 総合的な見立て

小谷総司君は、1年を通して見ると、**好きな遊びに向かう力、自分でやりたい気持ち、感覚刺激を楽しむ力、職員と関わりながら遊ぶ力**が大きく伸びています。

特に、虫取り、滑り台、ボール遊び、風船、砂・水遊び、ビニ玉転がしなど、本人が興味を持った活動では、集中して繰り返し取り組む姿が多く見られます。これは総司君の大きな強みです。

一方で、発達検査では、全体的な発達にゆっくりさがあり、特に**言語・社会面、認知・適応面、姿勢・運動面**に課題が見られます。検査では、令和7年9月時点で、全領域の発達年齢が2歳1か月、発達指数59、言語・社会は1歳9か月、認知・適応は2歳2か月、姿勢・運動は2歳5か月と示されています。

つまり、総司君は、
**「遊びたい気持ち」や「好きなものに向かう力」はしっかり育ってきているが、言葉で伝える力、手順を理解して取り組む力、身体を安定させて使う力、人と一緒に遊びを広げる力には、まだ丁寧な支援が必要な段階**
と考えられます。

## 1.一番大切な課題は「興味の偏りを活かしながら、人との関わりを広げること」

検査記録では、興味のある課題には取り組める一方で、興味のない課題には拒否や無反応が出やすいことが書かれています。また、人形遊びには反応が少なく、積木やグルグル描きなど、気に入った遊びを繰り返す姿も見られています。

生活記録でも、虫取り、ボール、滑り台、風船、水遊びなど、好きな活動には強く向かう姿があります。

ここで大切なのは、興味の偏りを「困りごと」として見るのではなく、**発達を引き出す入口**として使うことです。

### 必要なこと

好きな遊びを使って、職員や友達とのやり取りを増やすことが必要です。

例えば、
「虫を見つけたね」
「どこに入れる?」
「先生にも見せて」
「次は友達に渡してみよう」
「一緒に探そう」
というように、本人の興味を起点に、**見る・伝える・待つ・渡す・まねる・一緒にする**経験へ広げていくことが大切です。

## 2.言葉の課題は「単語を増やす」よりも、まず“伝わった経験”を増やすこと

検査では、言語・社会面が一番低く、発達年齢1歳9か月、発達指数50となっています。身近な物の名前は理解しているものがあり、指差しや手渡しで意思を伝えることはできていますが、2語文以上での理解や表現はまだ難しいとされています。

生活記録では、「とって」「こっち」「もう1回」「大きいの捕まえたい」「やー」「えい」など、場面に合った声や言葉が出ています。これはとても大切な伸びです。

### 必要なこと

今は、無理に言葉を言わせるよりも、**本人の動き・視線・指差し・声を大人が言葉にして返す支援**が必要です。

例えば、総司君が虫かごを持ってきたら、
「虫、探したいね」
「カエル、見たいね」
「こっち行きたいんだね」
と代弁します。

ボールを持ってきたら、
「投げたい」
「入れたい」
「もう1回」
と短い言葉で返します。

この積み重ねで、総司君の中に、
**伝える → わかってもらえる → また伝えたい**
という流れが育ちます。

## 3.身体面の課題は「体幹・バランス・両足ジャンプ・力加減」

発達検査では、階段で左右交互に足を出すことはできている一方、両足をそろえて台から飛び降りることはまだ難しい状態とされています。また、力加減のコントロールには苦手さがあると記録されています。

生活記録でも、滑り台、斜面、トランポリン、バランスボール、サーキット、ジャンプなどを楽しむ姿が増えており、運動面は伸びています。ただし、不安定な場所では支えが必要だったり、勢いで動く場面もあります。

### 必要なこと

総司君には、**身体の軸を育てる遊び**が必要です。

具体的には、
滑り台を登る、斜面を登る、四つ這いで進む、トンネルをくぐる、マットで転がる、トランポリンで跳ぶ、平均台を歩く、重いものを押す・引く、ボールを両手で持って運ぶ
といった活動が合っています。

特に、両足ジャンプや飛び降りは急がず、
「低い段差から両足で降りる」
「手をつないで一緒に跳ぶ」
「トランポリンでリズムよく跳ぶ」
という段階からでよいです。

## 4.認知・適応面の課題は「手順理解・模倣・見通し」

検査では、積木を積むことは好きで何度も取り組めていますが、トラックや門の模倣課題には反応が難しい場面がありました。また、形の弁別、折り紙、模写などでも課題が見られています。

これは、単に「できない」というより、
**見てまねる力、手順を理解する力、完成イメージを持つ力、注意を向け続ける力**がまだ育ち途中ということです。

### 必要なこと

遊びの中で、短い手順を繰り返す経験が必要です。

例えば、
「入れる → 転がす → 落ちる」
「探す → 捕まえる → 虫かごに入れる」
「登る → 滑る → もう1回」
「ボールを取る → 投げる → 拾う」
のように、本人が好きな遊びを使って、**始まりと終わりがわかりやすい活動**を増やすとよいです。

また、模倣は机上課題より、身体遊びの方が入りやすいと思います。
「先生のまねをしてジャンプ」
「同じように転がす」
「同じ場所に入れる」
「同じポーズをする」
など、遊びの中でまねる力を育てることが必要です。

## 5.手先の課題は「つまむ・入れる・握る・離す・力加減」

生活記録では、虫を捕まえる、砂をすくう、スコップを使う、ビニ玉を転がす、ボールを入れる、スポンジ棒で叩くなど、手先を使う活動が多く見られます。

検査でも、描画では鉛筆を両手に持ち、往復運動を繰り返す姿があり、口や手の協調動作は育ってきているが、力加減には苦手さがあるとされています。

### 必要なこと

今後は、手先だけを訓練するよりも、総司君の好きな活動の中で、自然に手を使う経験を増やすことが大切です。

例えば、
虫をそっと虫かごに入れる、スコップで砂をすくう、水をカップに入れる、洗濯ばさみをつまむ、大きめのビーズやボールを穴に入れる、新聞を破る、シールを貼る、ボールを握って離す
などが合います。

ポイントは、**成功しやすい大きさ・硬さ・道具から始めること**です。

## 6.集団生活で必要なことは「みんなと同じことをさせる」より「本人が参加できる入口を作ること」

検査記録では、無理に皆と一緒にやらせようとしても楽しくないため、人への興味は増えにくいと書かれています。総司君に合わせて、本人が楽しめる遊びを誰かと一緒にできる場が必要とされています。

これはとても重要です。

総司君の場合、いきなり集団のルールに合わせるよりも、
**好きな遊びの近くに友達がいる**
**同じ空間で同じものを見る**
**先生を介して友達とやり取りする**
という段階が合っています。

### 必要なこと

最初は、友達と一緒に「同じ遊びを完全に共有する」必要はありません。

虫取りなら、
「友達が見つけた虫を見る」
「虫かごを一緒にのぞく」
「先生が間に入って“見せて”をする」

ボール遊びなら、
「先生に渡す」
「友達に転がす」
「順番に入れる」

サーキットなら、
「友達の後ろを歩く」
「同じ道を通る」
「ゴールでタッチする」

このような小さな共有経験が、社会性の土台になります。

## 今後の中心課題

総司君の今後の課題は、以下の5つに整理できます。

### 1.好きな遊びを通して、人と一緒に楽しむ力を育てる

本人の興味を起点に、職員や友達とのやり取りを増やすことが必要です。

### 2.言葉・指差し・手渡し・視線を使って、要求を伝える力を育てる

「もう1回」「とって」「こっち」「見て」「大きい」「入った」など、遊びの場面で使える言葉を増やしていくことが必要です。

### 3.体幹・バランス・両足ジャンプなど、身体の土台を育てる

滑る、登る、跳ぶ、くぐる、転がる、押す、引くなど、全身を使う遊びを継続することが必要です。

### 4.目で見て、手を使い、まねる力を育てる

ボール、ビニ玉、虫取り、砂遊び、水遊び、簡単な組み立て遊びを通して、目と手の協応、模倣、空間認知を育てていくことが必要です。

### 5.見通しと切り替えを育てる

好きな遊びに集中できる力がある一方で、終わりや変更は難しくなりやすいため、
「あと1回」
「これでおしまい」
「次は〇〇」
と、短く具体的に伝える支援が必要です。

## 支援の方向性

総司君にとって今必要なのは、訓練的に「できないことをさせる」ことではなく、**好きな遊びの中に発達課題を入れていくこと**です。

具体的には、
虫取りで「見る・探す・伝える・待つ」
滑り台で「登る・支える・順番を待つ」
ボール遊びで「見る・投げる・受け取る・交代する」
砂水遊びで「すくう・入れる・こぼす・量を見る」
サーキットで「順番・見通し・身体の使い方」
を育てていくとよいです。

## まとめ

小谷総司君は、1年を通して、好きな遊びに向かう力と、安心できる大人との関わりの中で遊ぶ力がしっかり伸びています。

発達検査では、言語・社会面、認知・適応面、姿勢・運動面にゆっくりさが見られますが、生活の中では、虫取り、ボール、滑り台、風船、水・砂遊びなどを通して、発達の芽がたくさん見えています。

今後は、
**「好きなこと」から入り、身体を整え、人とつながり、言葉を育て、遊びを広げること**
が大切です。

特に、総司君には、
**やりたい気持ちを大切にすること、成功体験を積むこと、言葉にする前の表現をしっかり受け止めること、人と一緒に楽しい経験を増やすこと**
が必要です。
方針本人の「やりたい」という意欲を最優先に、好きな遊び(虫取り、ボール、滑り台)を入り口として、身体の土台である脊柱の柔軟性と呼吸を整えます。感覚統合を促しながら、人との共有体験を通じて言葉と社会性の芽を育みます。
長期目標身体の軸を安定させ、自分の思いを言葉や身体で表現し、他者と関わりながら遊びを広げることができる。
短期目標好きな遊びをやり切り、身体の相同の動きを安定させる。また、オノマトペや指差しを用いて職員と要求を共有する。
提供時間10:00〜14:00

📎 アップロードされたファイル

支援内容の提案

※各項目の「この案を採用する」をチェックしてから「採用案を保存」または印刷すると、選んだ案だけが印刷されます。

項目: 言語・コミュニケーション(要求の伝達)
案1

目標:
呼吸を整え、オノマトペや擬音で思いを表現する

内容:
大好きな虫取りやボール遊びの最中に、職員が「ポーン」「カタン」といったオノマトペを動きに合わせて提示します。呼吸を止めずに声を出し切る遊びを通じて、身体のリズムと言葉を一致させ、自発的な発声を促していきます。

領域: 言語・コミュニケーション
案2

目標:
代弁を通じて「伝わった」という安心感を育てる

内容:
指差しや手渡しによる要求に対し、職員が「とって」「もう一回」と短い言葉で代弁します。本人の意図を正確に受け止め、脊柱を緩めるような安心できる関わりの中で、言葉の基盤となるコミュニケーションの意欲を高めていきます。

領域: 言語・コミュニケーション
案3

目標:
口腔機能の発達を促し、明瞭な発声に繋げる

内容:
水吹きやシャボン玉、吹き戻しなどの遊びを取り入れ、しっかりと息を吐き切る力を育てます。口腔機能の発達を促すとともに、脊柱の柔軟性を高める運動を並行して行い、リラックスした状態で大きな声が出せるよう支援します。

領域: 健康・生活
項目: 運動・感覚(体幹・バランス・ボディイメージ)
案1

目標:
相同の動きを通じて身体の正中線を意識する

内容:
トランポリンでの両足跳びや、低い段差からの両足着地など、左右対称な「相同の動き」を繰り返します。身体の真ん中(正中線)を意識できる遊びを通じて、不安定な場所でも姿勢を保持できる体幹の土台を作っていきます。

領域: 運動・感覚
案2

目標:
脊柱の柔軟性を高め、ボディイメージを向上させる

内容:
バランスボールでの揺れ遊びや、トンネルくぐり、マットでの回転運動を行います。脊柱から肩甲骨、四肢へと繋がる発達の流れを意識した粗大運動を積み重ね、自分の身体の大きさや動かし方を把握するボディイメージを育てます。

領域: 運動・感覚
案3

目標:
前庭覚・固有受容覚を刺激し、バランス能力を養う

内容:
滑り台の逆走や斜面の登り降り、重い荷物を押す遊びを通じて、筋肉や関節への刺激(固有受容覚)を入れます。エアリアルハンモック等の揺れる遊具で前庭覚を刺激し、転倒しにくい身体作りと力加減のコントロールを学びます。

領域: 運動・感覚
項目: 認知・行動(手順理解・模倣・見通し)
案1

目標:
好きな遊びをやり切り、活動の始まりと終わりを理解する

内容:
虫取りやビニ玉転がしなど、本人が納得するまで「やり切る」時間を大切にします。「入れる→転がる→落ちる」といった単純で視覚的に分かりやすい手順を繰り返すことで、活動の見通しを立てる力と集中力を養っていきます。

領域: 認知・行動
案2

目標:
身体遊びを通じて職員の動きを模倣する

内容:
職員と同じポーズでジャンプしたり、同じ場所へボールを投げたりする模倣遊びを行います。机上の課題よりも入りやすい身体を使った真似っこ遊びから始め、目で見て身体を動かす「目と手の協応」と手順の理解を深めます。

領域: 認知・行動
案3

目標:
右脳的なイメージ力を活かし、切り替えをスムーズにする

内容:
活動の終わりを「あと1回」とオノマトペや視覚的な提示で具体的に伝えます。本人の得意なイメージ力を活かせるよう、次の楽しい活動を予告し、脊柱を緩めるアプローチを入れながら、感情を穏やかに保って次の行動へ移れるよう支援します。

領域: 認知・行動
項目: 人間関係・社会性(他者との共有体験)
案1

目標:
ボール遊びを通じて相手とのタイミングを合わせる

内容:
職員や友達とのボールの受け渡し遊びを行います。相手の動きを見て、投げる・受け取るという「タイミング」を合わせる経験を重ねることで、コミュニケーションの基礎となる対人関係の距離感やリズムを学んでいきます。

領域: 人間関係・社会性
案2

目標:
好きな活動の近くで「並行遊び」から共有体験を広げる

内容:
虫取りや砂遊びなど、同じ空間で同じものに興味を持つ友達の存在を意識できるよう仲介します。無理に一緒に遊ばせるのではなく、まずは「隣に誰かいる」安心安全な環境の中で、発見を喜び合うような小さな共有体験を積み上げます。

領域: 人間関係・社会性
案3

目標:
集団の中での「参加の入り口」を職員がサポートする

内容:
サーキット遊びや順番待ちの場面で、職員が間に入って「次は総司君だね」と声をかけます。友達の後ろを歩く、ゴールでタッチするといった簡単なルールのある活動に成功体験を持たせ、集団の中で過ごす楽しさを育みます。

領域: 人間関係・社会性