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基本方針・全体目標 (無題)

サービス種別放課後等デイサービス
年齢・学年11歳
利用者及び家族の意向言葉がでてほしい、他の子と遊べるようになってほしい、大きな声を出すのをやめてほしい
児童の特徴、結衣さんは**「安心できる感覚遊びを土台にしながら、少しずつ自分で選ぶ・動く・関わる力が伸びてきた1年」**だったと感じます。記録では、水遊び、エアリアルハンモック、毛布そり、バランスボール、トランポリン、スラックライン、滑り台、ボール遊びなどを通して、前庭覚・固有受容覚・触覚の刺激をたくさん経験している様子が見られます。

1年間の長所

結衣さんの大きな長所は、感覚遊びを楽しむ力があることです。
水、揺れ、包まれる感覚、背中への刺激、足裏への刺激、ボールの転がり、滑る感覚など、身体で感じる遊びに興味を持ち、安心できると笑顔や声、表情で楽しさを表現できています。

また、安心できる大人との関係の中で力を出せることも長所です。最初は車から降りるまで時間がかかる日もありますが、職員が待つ、声をかける、身体を整える刺激を入れることで、少しずつ活動へ向かえる場面が何度もあります。

さらに、1年を通して、「自分でやりたい」という気持ちが増えてきています。
「私が使う」と伝える、好きな遊びへ自分から向かう、ボールを入れる、滑り台に何度も挑戦する、ダーツの的を狙うなど、受け身だけでなく、自分の意思で遊びを選ぶ姿が出てきています。

短所・気になる部分

短所というより、支援上の特徴としては、気持ちの切り替えに時間がかかりやすいところがあります。
送迎車から降りる場面、駐車場から施設に入る場面、帰りの準備など、活動の始まりと終わりで時間が必要な日があります。

また、環境の変化や人の動きに影響を受けやすい様子があります。
駐車場に別の車が入ってくる、人影がある、周囲がにぎやかになる、いつもと違う流れになると、動き出しにくくなったり、座り込んだり、様子を見たりする姿があります。

身体面では、姿勢を保つ力、体幹、バランス、動きの見通しに課題が見られます。
揺れや滑りを楽しめる一方で、姿勢保持や腹筋を使う動き、足で踏ん張る動き、上肢・下肢を協調させる動きでは、まだ支えや環境調整が必要です。

苦手なこと

結衣さんが苦手なのは、まず活動への入り口の切り替えです。
車から降りる、建物に入る、2階へ上がる、次の活動へ移るといった場面では、すぐに動くよりも、少し時間をかけて安心を作ることが必要です。

次に、予測しにくい環境が苦手です。
人の出入り、車、音、周囲の変化、他児の動きなどがあると、身体が固まったり、動きが止まったりしやすい印象です。

また、自分の身体を使って調整する動きも課題があります。
バランスボール、スラックライン、滑り台、斜面、ハンモックなどでは楽しさが出ていますが、体幹で支える、足で踏ん張る、姿勢を変える、タイミングを合わせる部分は今後も丁寧に経験を積む必要があります。

1年間を通した課題

一番の課題は、安心して活動に入るための自己調整力を育てることです。
結衣さんは、いきなり活動に入るよりも、ハンモック・毛布そり・背中への刺激・足裏刺激・包まれる感覚などで身体が整うと、表情が和らぎ、活動に向かいやすくなります。

次に、体幹・姿勢保持・バランス感覚を育てることです。
揺れる、滑る、登る、くぐる、またぐ、転がる、踏ん張る遊びを通して、身体の中心を使う力を育てていくことが大切です。

もう一つは、自分の気持ちや要求を表す力を増やすことです。
「もう一回」「楽しい」「使いたい」「入れて」などの気持ちを、言葉・表情・指差し・動きで出せる場面を増やしていくことが、コミュニケーション面の成長につながります。

今後の方向性

今後は、安心できる感覚遊びを入口にして、少しずつ自分で動く遊びへ広げていく方向性がよいと思います。

具体的には、最初にハンモック・毛布そり・マット包み・背中や足裏への刺激などで身体を整え、その後に滑り台、トンネル、ボール入れ、ダーツ、スラックライン、バランスボールなどへつなげていく流れが合っています。

支援では、急がせず、
「待つ → 安心する → 選ぶ → 動く → できたを感じる」
という順番を大切にするとよいです。

結衣さんは、安心できると笑顔が増え、遊びへの意欲も出てきます。今後は、感覚の満足だけで終わらず、そこから姿勢保持・バランス・手足の協調・目と手の協応・人とのやりとりへつなげていくことが大切です。

まとめ

結衣さんは、感覚遊びの中で安心し、身体が整うことで力を発揮できるお子さんです。
この1年で、受け身で過ごすだけではなく、自分から遊びを選ぶ、笑顔で楽しむ、繰り返し挑戦する、職員や他児との関わりを受け入れる姿が増えてきています。

今後は、安心できる環境の中で、
身体を整える力、自分で動く力、自分の気持ちを表す力、人と一緒に楽しむ力
を育てていくことが方向性になると思います。
方針安心安全な感覚遊びを入口として身体の土台を整え、脊柱の柔軟性と呼吸のアプローチを通して、自発的な意思表示や情緒の安定、対人関係の広がりを支援します。
長期目標身体のコントロールと感情の柔軟性を高め、自分のやりたいことを伝えながら、周りの人との関わりを豊かに楽しめるようになる。
短期目標感覚遊びで身体を整えてから活動に入り、大きな声を出して呼吸を整えることや、自分の意思で遊びを選びやり切る経験を積み重ねる。
提供時間平日放課後:15:30〜17:30、学校休業日:10:00〜16:00

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支援内容の提案

※各項目の「この案を採用する」をチェックしてから「採用案を保存」または印刷すると、選んだ案だけが印刷されます。

項目: 切り替えと情緒の安定(脊柱・呼吸へのアプローチ)
案1

目標:
脊柱の柔軟性を高め、活動の入り口での不安を緩和する。

内容:
車から降りる際や入室時に、バランスボールや背中への心地よい刺激を行い、脊柱を緩めることで心の柔軟性を引き出します。身体が整うことで、漠然とした不安を解消し、次の活動へスムーズに向かえるようスモールステップで支援します。

領域: 健康・生活
案2

目標:
呼吸のコントロールを通して、環境変化への適応力を育てる。

内容:
周囲の変化で身体が固まった際、毛布そりやハンモックで包まれる感覚を提供し、深い呼吸を促します。しっかりと「吐き切る」ことで脱力を促し、アドレナリンをコントロールして、自分自身のペースで環境に馴染めるよう見守りながら支援します。

領域: 心理的ケア
案3

目標:
安心安全な空間で、自分を調整する力を身につける。

内容:
活動の始まりに本人が好きな「包まれる感覚」を十分に保障し、安心安全を無意識領域から確立します。急かさずに「待つ」対応を徹底し、身体の土台が整ってから本人が自ら動き出すタイミングを大切にすることで、自己調整力を育んでいきます。

領域: 環境調整
項目: 体幹・バランスと身体の使い方の向上
案1

目標:
相同の動きを通して、身体の正中線(中心)を意識する。

内容:
大トランポリンでの両足跳びなど、左右対称に身体を使う「相同の動き」をたくさん行います。身体の真ん中を知ることで、姿勢保持に必要な体幹を育て、滑り台や斜面での活動でも自分の身体を支えてコントロールできる土台を作っていきます。

領域: 運動・感覚
案2

目標:
足裏の刺激から脊柱への連動を高め、バランス能力を養う。

内容:
スラックラインや裸足での活動を通し、足裏のメカノレセプターを刺激します。足指で踏ん張る感覚を脊柱や股関節へと繋げ、揺れるハンモックの中でも姿勢を保てるよう、前庭覚と固有受容覚を統合させる遊びを繰り返し提供していきます。

領域: 運動・感覚
案3

目標:
粗大運動から微細運動へ、身体の発達の流れを促す。

内容:
いきなり手先を使うのではなく、登る・くぐる・ぶら下がるといった大きな動き(粗大運動)を優先します。脊柱から肩甲骨、肘、手首へと繋がる発達の流れを意識した遊びの中で、ダーツやボール入れなどの目と手の協応動作へ繋げていきます。

領域: 認知・行動
項目: 言語・コミュニケーションと発声のコントロール
案1

目標:
大きな声を出し切ることで、呼吸と発声をコントロールする。

内容:
「大きな声を出す」ことを否定せず、ワクワクする遊びの中で意図的に声を出し切る機会を作ります。しっかり吐き切ることで呼吸が整い、声の強弱を自分で調整する土台を作るとともに、水吹き遊び等で口腔機能を高め、明瞭な発語へと繋げます。

領域: 言語・コミュニケーション
案2

目標:
動きとリズムを合わせ、オノマトペを通して意思を伝える。

内容:
ブランコやボール遊びの動きに「シュッ」「ポン」といったオノマトペ(擬音)を合わせ、身体全体で言葉のリズムを獲得します。楽しい瞬間に声が出る体験を積み重ね、「もう一回」などの要求を言葉や動きで表現できるよう支援します。

領域: 言語・コミュニケーション
案3

目標:
ボール遊びを通し、他者とのタイミングや距離感を学ぶ。

内容:
1対1のボールの受け渡しから始め、相手のリズムに合わせる経験を積みます。ボールという物を通したコミュニケーションで、相手との適切な距離感や「入れて」「どうぞ」といったやり取りの楽しさを感じ、集団の中でも安心して過ごせる力を育てます。

領域: 人間関係・社会性
項目: 自己選択とやり遂げる力の育成
案1

目標:
やりたい遊びをやり切り、自己肯定感を高める。

内容:
本人が選んだ感覚遊びを納得するまで「やり切る」ことを最優先します。自分の意思が尊重される体験を通して、安心感と自信を育み、未完了の思いを残さないことで、次の活動へのスムーズな切り替えや前向きなチャレンジ精神を引き出します。

領域: 認知・行動
案2

目標:
選択肢の中から自分で選ぶ経験を増やし、自発性を促す。

内容:
「どれにする?」と視覚的な提示や実物を用いて、自分で遊びや道具を選ぶ場面を多く作ります。自分で決めて動くプロセスを支援者が認め、褒めることで、「自分でできた」という達成感を積み重ね、受け身ではない主体的な活動を促します。

領域: 人間関係・社会性
案3

目標:
ルールのある遊びを通し、身体から社会性を理解する。

内容:
ストップ&ゴーなどの遊びを取り入れ、身体を動かす・止めるという切り替えを楽しみながら学びます。身体のコントロールが感情のコントロールに繋がることを活かし、遊びの中のルールを身体で理解することで、集団の中での自制心を育てます。

領域: 認知・行動