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基本方針・全体目標 (藤井 琴羽 2026年4月分)

サービス種別放課後等デイサービス
年齢・学年13歳
利用者及び家族の意向微細運動が苦手、コミュニケーション能力の向上、人の話を聞いて動くことが苦手、言わなくていいことを言ってしまう
学習では文章問題が苦手
児童の特徴藤井琴羽さんの記録を通して見ると、身体を動かすことへの意欲が高まり、自分で考えて挑戦する力、友だちと活動を楽しむ力が大きく伸びています。 特に、自然の中での活動、前庭感覚・固有受容感覚を使う遊び、集団での活動に継続して取り組んでいます。

1年間の伸び
1.身体の使い方が上手になった

当初から山登り、川遊び、ハンモック、トランポリンなどを楽しんでいましたが、次第に、

不安定な場所でバランスを取る
坂道や山道で身体の使い方を調整する
上肢と下肢を連動させる
目と手を協調させる
力加減や姿勢を調整する

といった動きが増えています。

特に後半には、急な坂道や岩場でも自分で進む道を選び、身体の向きや重心を調整しながら登れるようになっています。プールでも、水の流れやマットの動きに合わせて身体のかけ方を工夫する姿が見られています。

2.挑戦する気持ちが育った

初めは「無理無理」と言いながら取り組んでいた活動でも、実際に挑戦し、成功すると達成感を得ています。

高い場所、山道、チャレンジサーキット、ボール遊び、跳び越しなど、新しい活動にも少しずつ参加できるようになりました。失敗を避けるだけでなく、「やってみる」「もう一度する」経験が増えたことは大きな成長です。

3.自分で考える力が伸びた

活動の中で、

どの道を進むか
どうすれば登れるか
どのように身体を動かせばよいか
どれくらいの力で投げるか
水や遊具にどう身体を預けるか

を、自分で考えながら調整する姿が増えています。

指示されたことをするだけでなく、状況を見て判断し、試しながら修正する力が育っています。

4.集団参加と人との関わりが広がった

友だちとハンモックやブランコに乗る、トランポリンで動きを合わせる、チャンバラをする、プールで一緒に遊ぶなど、他児との共有体験が増えています。

順番を待つ、譲る、相手の動きを見る、同じ遊びを楽しむといった社会性も育っています。職員や友だちとの会話も多く、学校生活や将来の夢について話す姿も見られています。

5.感覚刺激を楽しみ、受け入れられる幅が広がった

前庭感覚、固有受容感覚、触覚、水の感覚、自然の音や風、匂いなど、多様な感覚刺激を楽しめています。

泥、水、坂道、揺れ、回転、高低差などにも積極的に関わり、身体感覚を通して気持ちを整えたり、活動への満足感を得たりできるようになっています。

好きなこと
山登り、散歩、川遊び、滝遊びなどの自然体験
水遊び、プール、ウォータースライダー
ハンモック、ブランコ、トランポリン、バランスボール
滑る、揺れる、回る、跳ぶなどの感覚遊び
ボール遊び、チャンバラ、鬼ごっこ
調理活動、お菓子作り、味見
工作や行事活動
友だちや職員との会話
音楽、カラオケ、マイクを使った遊び
自分で選んだ活動に集中すること
苦手なこと
初めての活動や、成功の見通しが持ちにくい活動
高さや不安定さが強く、恐怖を感じる場面
思いどおりに身体を動かせない複雑な運動
上肢と下肢を同時に使う協調運動
力加減やタイミングの調整が必要な運動
周囲の状況を見ながら、安全にも注意すること
疲れや鼻血など体調が不安定なときの活動調整

ただし、苦手なことでも、安心できる職員の声かけや段階的な設定があると、挑戦できる場面が多く見られます。

長所
意欲的で活動性が高い

興味を持った活動には、元気よく積極的に参加できます。

好奇心が豊か

自然、遊具、調理、工作、音楽など、幅広い活動に関心を示します。

感覚を楽しむ力がある

揺れ、回転、水、風、匂い、足裏感覚などを楽しみ、感覚体験を活動の力に変えられます。

人との関わりを楽しめる

友だちや職員とよく話し、一緒に活動することを喜べます。

自分の気持ちや考えを言葉にできる

「怖い」「無理」「楽しい」「やってみたい」など、自分の感情や希望を表現できます。

挑戦後に達成感を得られる

不安があっても、一度経験して成功すると自信につなげられます。

短所・つまずきやすい点

短所というより、支援上配慮したい点です。

不安が先に立つと、始める前に「無理」と判断しやすい
楽しい活動では、周囲の安全確認より勢いが優先されることがある
苦手な動きでは、力任せになったり、身体全体の協調が崩れたりしやすい
疲れや体調不良を自分で早めに調整することは、引き続き支援が必要
興味のある活動と、そうでない活動で参加意欲に差が出やすい
今後の課題
1.身体の協調性をさらに高める

四つ這い、登る、くぐる、投げる、跳ぶなどを組み合わせ、左右の手足や上半身・下半身を連動させる経験を増やします。

2.バランスと姿勢保持を育てる

不安定な足場、坂道、平均台、マット、バランスボールなどを使い、重心移動と姿勢の立て直しを経験していくことが必要です。

3.力加減とタイミングを身につける

ボール、ラケット、縄、チャンバラ遊びなどを通して、相手や物との距離に合わせて力を調整する力を育てます。

4.「できそう」と思える経験を積む

難しい課題を小さな段階に分け、本人が選べるようにすることで、最初から諦めず挑戦する力につなげます。

5.安全確認と自己調整を育てる

楽しい活動の中でも、一度止まる、周囲を見る、疲れを確認する、水分を取るといった自己管理を習慣化していく必要があります。

6.本人の興味を将来の力につなげる

自然活動、運動、調理、工作、音楽、人との会話など、本人の好きなことを生かして、役割を持つことや最後までやり遂げる経験につなげることが大切です。

総合的なまとめ

藤井琴羽さんは、感覚や自然を全身で楽しみ、人と関わりながら活動する力が強みです。この1年間で、身体のバランス、運動への挑戦、自分で考える力、集団での関わりが伸びています。

今後は、本人の「楽しい」「やってみたい」を出発点として、身体の協調性、力加減、安全確認、自己調整を育てていくことが重要です。苦手なことを繰り返し練習させるよりも、好きな活動の中に必要な動きを自然に取り入れることで、より大きな成長が期待できます。
方針本人の高い活動意欲と「やりたい」という気持ちを原動力に、身体の土台である脊柱の柔軟性と呼吸を整え、心身の自己調整力を高めます。自然体験や運動遊びを通じた感覚統合により、上肢・下肢の連動性や微細運動の基礎を築くとともに、相手とのリズムを合わせる経験を重ね、社会性と言語能力の向上を目指します。
長期目標身体の協調性と感情のコントロール能力を高め、自分の特性を活かしながら周囲と調和して活動できる力を育む。
短期目標複雑な地形での重心移動や力加減の調整を習得し、相手の反応を見ながら適切な言葉やタイミングでコミュニケーションを図る。
提供時間平日:14:00〜17:30、学校休業日:10:00〜16:00

📎 アップロードされたファイル

支援内容の提案

※各項目の「この案を採用する」をチェックしてから「採用案を保存」または印刷すると、選んだ案だけが印刷されます。

項目: 身体の協調性と微細運動
案1

目標:
脊柱から指先への発達の流れを整え、手先の操作性を高める。

内容:
いきなり指先を使うのではなく、脊柱から肩甲骨、肘へと繋がる「身体の発達の流れ」に沿った粗大運動を行います。ぶら下がりやハイハイ、重い荷物を運ぶ遊びで手首や掌の力を育て、微細運動の土台を築きます。

領域: 運動・感覚
案2

目標:
上肢と下肢の連動性を高め、スムーズな身体の使い方を習得する。

内容:
山登りや岩場での活動を継続し、相同の動き(両手両足)から対側の動き(手足をバラバラに使う)への移行を促します。不安定な場所でバランスを取ることで、無意識下で姿勢を保持するメカノレセプターを刺激します。

領域: 健康・生活
案3

目標:
力加減のコントロールを学び、道具を扱う精度を向上させる。

内容:
チャンバラやボール投げを通して、自分の出力と相手との距離感を調整します。脊柱の柔軟性を高めることで、肩や肘の余計な緊張を抜き、しなやかな動きの中で微細な力加減(操作性)を身につけていきます。

領域: 認知・行動
項目: コミュニケーションと自己調整
案1

目標:
自分の感情と身体の状態を俯瞰し、適切な発言を選択できる。

内容:
アドレナリンが出すぎて勢い優先になった時、呼吸を整えて「一度止まる」練習をします。身体のコントロールを通して感情を落ち着かせ、今言わなくていいことを自制できるよう、成功体験を積み重ねていきます。

領域: 人間関係・社会性
案2

目標:
ボール遊び等のやり取りを通じ、相手とのリズムを合わせる。

内容:
バウンドボールやパス回しを行い、相手の動きやタイミングを「見て感じる」遊びを重視します。自分のやりたいことをやり切りつつ、他者のリズムに自分を合わせる心地よさを体験し、双方向の交流を深めます。

領域: 言語・コミュニケーション
案3

目標:
大きな声や動きで感情を発散し、心の柔軟性を育てる。

内容:
「言わなくていいこと」を溜め込まず、運動の中で大きな声を出したり、息をしっかり吐き切ったりして感情を出し切ります。脊柱を緩めることで心理的な柔軟性を促し、対人関係での衝動的な反応を和らげます。

領域: 人間関係・社会性
項目: 指示理解と学習の土台
案1

目標:
左右の脳の統合を促し、文章の順序や段取りを理解する。

内容:
身体の左右をクロスさせる対側の動きや、リズムに合わせて動く活動を取り入れます。身体から順序のアプローチを行うことで、文章問題などの順序立てて考える力(イメージ力と段取り)の向上に繋げていきます。

領域: 認知・行動
案2

目標:
聴覚的な理解力を高め、人の話を最後まで聞く姿勢を養う。

内容:
オノマトペ(擬音語)を使ったリズム遊びを行い、音と動きを一致させる経験を増やします。耳から入る情報と身体のリズムを合わせることで、言葉の指示をイメージとして捉え、行動に移すスピードを整えます。

領域: 言語・コミュニケーション
案3

目標:
視機能と身体を連動させ、情報の取り込みをスムーズにする。

内容:
動くボールを追う、周辺視野を意識するなどのビジョントレーニングを遊びの中で行います。見たものを正しく認識し、身体を動かす「目と手の協応」を高めることで、学習面での読み書きの負担を軽減します。

領域: 認知・行動
項目: 安全確認と自己管理
案1

目標:
活動中の疲れに気づき、自分で休憩や水分補給を選択できる。

内容:
夢中で遊んでいる最中に、呼吸の状態や足裏の感覚に意識を向ける声かけを行います。自分の身体の内側のサイン(呼吸の速さ等)に気づくことで、鼻血や過労を防ぐための自己調整力をスモールステップで育てます。

領域: 健康・生活
案2

目標:
「ストップ&ゴー」の遊びを通じ、危険予測と安全確認を学ぶ。

内容:
楽しい活動の中でも、合図でピタッと止まる遊びを繰り返し行います。勢いだけで動くのではなく、脊柱を安定させて止まる力をつけることで、周囲の状況を確認してから行動する「心のブレーキ」を強化します。

領域: 認知・行動
案3

目標:
安心安全な環境下で、新しい課題に「できそう」と挑戦する。

内容:
本人が「無理」と感じる課題を細分化し、自分で選べる選択肢を提供します。脊柱の柔軟性を高めて不安の元となる身体の固さを取り除き、やりたいことをやり切る満足感を通して、自己肯定感を高めていきます。

領域: 人間関係・社会性