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基本方針・全体目標 (中澤 碧隼君の2026年4月)

サービス種別放課後等デイサービス
年齢・学年9歳
利用者及び家族の意向不安が強い、目と手の連動が苦手、視機能が不安、不器用
児童の特徴中澤碧隼くんの1年間の変化

この1年間を通して、碧隼くんは、好きな運動に自分から取り組む力、身体の使い方、勝敗や失敗から気持ちを切り替える力が大きく伸びています。特に、ドッジビー、ドッジボール、サッカーなどのボール遊びを中心に、「やりたい」「もう一回したい」という主体的な姿が増えました。

1.1年間で伸びたところ

① 気持ちを言葉で伝えられるようになった

当初は、帰る時間になると「お母さんに会いたい」と涙ぐんだり、帰宅時間の見通しが持ちにくかったりする姿がありました。その後は、「サッカーしたい」「次はこれをしたい」など、自分の希望を言葉で伝えられる場面が増えています。

② 勝敗や失敗を受け止める力がついた

始めの頃は、ゲームに負けると悔しさから身体を休めることもありましたが、次第に負けても気持ちを切り替え、すぐ次の遊びに進めるようになりました。職員がキャッチに失敗した際にも、「やったぁ」と喜びながら、楽しさを共有できています。

③ ボールを投げる力と正確性が向上した

ドッジビーでは、以前よりも速く、低く、狙った場所へ投げられるようになりました。横投げ、縦投げ、回転を加える投げ方、軌道を変える投げ方など、さまざまな方法を自分で考えて試しています。

④ 身体全体を使う運動が上達した

肩甲骨を大きく動かして投げる、踏み込んで蹴る、走りながら周囲を見る、ジャンプしてボールを避けるなど、上半身と下半身を連動させる動きが増えました。トランポリン、ジャンボシミ、縄跳び、サッカーなどでも、バランス感覚や協調運動が伸びています。

⑤ 遊びを工夫する力が伸びた

単にルールどおりに遊ぶだけでなく、ルールを変更したり、距離や高さ、投げ方を工夫したりする姿が見られます。ビリヤードや磁石遊びなど、新しい遊びにも興味を持ち、試行錯誤しながら取り組めるようになっています。

⑥ 集団参加と人との関わりが広がった

職員との対戦だけでなく、友達とチームを組んだり、他児に遊び方を教えたり、相手をよく見ながら協力したりする姿が増えました。自分だけで楽しむ段階から、相手と一緒に楽しむ段階へと広がっています。

好きなこと

碧隼くんが特に好んでいるのは、次のような活動です。

ドッジビー、ドッジボール
サッカー、シュート遊び
オセロ
トランポリン、ジャンボシミ
ボール投げ、キャッチボール
縄跳び、跳び箱、スラックライン
プール、川遊び、ウォータースライダー
磁石遊び、ビリヤード
自分でルールや投げ方を工夫できる遊び

特に、狙う、投げる、蹴る、避ける、勝負するといった要素のある遊びに意欲が高く、成功したときに自信が大きく高まる傾向があります。

苦手なこと・難しさ

① 終了や帰宅への切り替え

楽しい遊びが続いていると、帰る時間を受け入れにくいことがありました。活動の見通しや、終わりを事前に伝える支援が必要です。

② 負けたときや思いどおりにならないときの感情調整

大きく改善していますが、勝負への意欲が強いため、負けたときに悔しさが表れたり、気持ちが一時的に止まったりすることがあります。

③ 周囲からの予測できない刺激

ボールが突然飛んでくる、トランポリン内で予期せず身体に当たるなど、不意の刺激には不安が出ることがあります。本人は「大丈夫」と言いながら続けられますが、安全確認と安心できる声かけが必要です。

④ 持続力と疲労への対応

好きな活動には長く取り組めますが、後半に疲れが見られることがあります。夢中になると休憩を忘れやすいため、自分の身体の疲れに気づく力を育てる必要があります。

⑤ 細かな手先の操作

ポンプ操作、風船の紐結び、カードゲーム、ビリヤードなどにも取り組めていますが、指先の微細運動や力加減は引き続き経験を積む必要があります。

今後の課題
1.気持ちの切り替えと見通し

活動の始まりと終わりを分かりやすく示し、「あと何回」「次は何をする」と見通しを持てるようにします。悔しさや不安を否定せず、言葉で表現して次の行動へ移る経験を重ねることが大切です。

2.身体の左右協調と体幹の安定

投げる、蹴る、走る、跳ぶ動きは大きく伸びています。今後は、左右の手足を使い分ける動き、身体をひねる動き、片足で支える動き、リズムよく連続する動きを増やすことで、より滑らかな全身運動につながります。

3.周辺視野と状況判断

サッカーやドッジビーの中で、相手、ボール、空いている場所を同時に見る力を伸ばします。単に速く動くことだけでなく、「見る・考える・動く」を結び付ける経験が必要です。

4.自分の身体への気づき

疲れ、暑さ、喉の渇き、痛み、不安などを自分で感じ、言葉で伝えられるようにします。水分補給や休憩を自ら選択できる力も育てていくことが重要です。

5.集団の中での協力とルール理解

勝つことだけでなく、相手を応援する、順番を待つ、相談してルールを決める、他児に合わせるなど、集団で遊ぶための社会的な力をさらに育てます。

まとめ

碧隼くんはこの1年間で、「好きな遊びに取り組む」段階から、「自分で工夫し、人と一緒に楽しみ、成功や失敗を次の行動につなげる」段階へ成長しています。

今後も、得意なドッジビーやサッカーを中心に、本人の「やりたい」という気持ちを生かしながら、身体の協調性、感情調整、状況判断、集団参加を育てていくことが望まれます。
方針脊柱の柔軟性と呼吸を整えることで身体の土台を再構築し、本人の「やりたい」という主体性を軸に、手書きの精度向上や感情の自己コントロール力を育みます。粗大運動から微細運動への発達の流れを重視し、自信を持って集団活動に参加できるよう支援します。
長期目標身体の連動性と感情の柔軟性を高め、学習や運動において自分の持てる力を最大限に発揮し、他者と協力しながら活動を楽しむことができる。
短期目標脊柱の柔軟性を保ちながら、目と手の協応動作を安定させ、勝敗や活動の切り替えをスムーズに行えるようになる。
提供時間平日:15:30〜17:30、学校休業日:10:00〜16:00

📎 アップロードされたファイル

支援内容の提案

※各項目の「この案を採用する」をチェックしてから「採用案を保存」または印刷すると、選んだ案だけが印刷されます。

項目: 手書き・微細運動の向上
案1

目標:
脊柱から指先への発達の流れに沿った書字の安定

内容:
脊柱から肩甲骨、肘、手首へと繋がる発達の流れを意識した粗大運動を行います。ぶら下がりやハイハイ遊びで上半身の土台を整えることで、指先の余計な緊張を抜き、スムーズな運筆と適切な筆圧コントロールができるよう支援します。

領域: 運動・感覚
案2

目標:
肩甲骨の可動域拡大による微細運動の操作性向上

内容:
ドッジビーやボール投げで肩甲骨を大きく動かす遊びを取り入れ、腕全体の連動性を高めます。大きな動きで手首の柔軟性を養った後、ビリヤードや磁石遊びなどの微細運動に繋げることで、手元の細かな操作をより正確に行えるようにします。

領域: 運動・感覚
案3

目標:
相同の動きから対側の動きへの移行による書字の定着

内容:
両手で大きな紙に描く相同の動きから始め、徐々に左右の手を別々に使う対側の動きへとステップアップします。身体の正中線を越える動きを経験することで、ノートの端まで視線と手をスムーズに動かせるよう、書字の基盤を整えていきます。

領域: 運動・感覚
項目: 視機能と目と手の連動
案1

目標:
ビジョントレーニングによる追従眼球運動の強化

内容:
ドッジビーやサッカーを通じ、動くものを目で追う力を育てます。まずは両手で受ける相同の動きでボールを捉える感覚を養い、視覚情報と身体の動きを一致させることで、狙った場所へ正確に投げる・蹴るなどの協調運動を促進します。

領域: 認知・行動
案2

目標:
周辺視野の拡大と状況判断力の向上

内容:
集団でのボール遊びの中で、ボールだけでなく相手や空きスペースを同時に見る「周辺視野」を広げるアプローチを行います。脊柱を柔軟に保ちながら首を動かす遊びを取り入れ、視覚情報を素早く処理して次の動きを選択する力を養います。

領域: 認知・行動
案3

目標:
目と手の協応による微細な力加減の習得

内容:
カードゲームやビリヤードなど、視覚的なターゲットに対して指先の力を調整する遊びを行います。視機能の不安に対し、まずは大きな的を狙う活動からスモールステップで進め、成功体験を積み重ねることで目と手の連動に対する自信を高めます。

領域: 認知・行動
項目: 感情調整と切り替えの安定
案1

目標:
脊柱の柔軟性と呼吸による感情の自己調整

内容:
感情の波を安定させるため、バランスボールやトランポリンで脊柱を緩め、深い呼吸を促します。身体の緊張を解くことで心の柔軟性を引き出し、負けた時の悔しさや思い通りにいかない場面でも、自分を自制して次の行動へ移れるよう支援します。

領域: 人間関係・社会性
案2

目標:
悔しさを「出し切る」ことによるスムーズな切り替え

内容:
勝負で負けた際、感情を溜め込まずに大きな声や全身の動きで「出し切る」機会を作ります。感情を一度発散し切ることで、アドレナリンの状態をニュートラルに戻し、ストップ&ゴーの遊びのように素早く気持ちを切り替える練習を重ねます。

領域: 人間関係・社会性
案3

目標:
見通しの遊びによる終了・帰宅への適応

内容:
活動の終わりをオノマトペやリズムを用いて予告し、見通しを持てるようにします。「あと何回」と具体的に提示し、やりたい気持ちをやり切ってから終了する経験を積むことで、帰宅時の不安を軽減し、納得感を持って活動を終えられるようにします。

領域: 人間関係・社会性
項目: 全身の連動性と体幹の確立
案1

目標:
足裏刺激による姿勢保持能力の向上

内容:
足裏のメカノレセプターを刺激するため、裸足での活動を推奨します。スラックラインやジャンボシミでのバランス遊びを通じ、足指から脊柱への連動を高めることで、無意識下でも姿勢を正しく保持し、疲れにくい身体の土台を作ります。

領域: 健康・生活
案2

目標:
正中線の理解と全身の協調運動の獲得

内容:
トランポリンでの両足跳び(相同の動き)を繰り返し、身体の真ん中である正中線を意識させます。身体の中心が安定することで、走りながらボールを避ける、ジャンプしてキャッチするなど、上半身と下半身を連動させた滑らかな動きを促します。

領域: 健康・生活
案3

目標:
自己の身体感覚への気づきと疲労管理

内容:
運動の合間に「今の呼吸はどうかな?」と問いかけ、自分の身体の状態に目を向ける時間を持ちます。喉の渇きや疲れを自覚し、水分補給や休憩を自ら選択できるよう促すことで、夢中になっても自分の身体を大切にコントロールする力を育てます。

領域: 健康・生活