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基本方針・全体目標 (佐圓 桜佑くんの2026年4月)

サービス種別放課後等デイサービス
年齢・学年10歳
利用者及び家族の意向対人関係・・・いつも母に隠れる、人の多さが苦手
身体関係・・・卵アレルギー、車酔いする、くすぐったがり、大きな音で耳をふさぐ、耳が聞こえすぎる
児童の特徴佐圓桜佑君の1年間の記録を通してみると、身体を大きく動かす遊びを中心に、感覚の受け取り方、身体の調整力、友達との関わり、自分の意思を伝える力が伸びています。 特に、トランポリンや水遊び、サッカーなど、本人が「やりたい」と感じる活動の中で、意欲的に繰り返し挑戦する姿が多く見られました。

1年間の変化
1.身体の使い方が安定してきた

当初から水遊びやスライダー、トランポリンなどを活発に楽しんでいましたが、1年間を通して、単に動きを楽しむだけでなく、姿勢やバランスを調整しながら遊ぶ力が高まっています。

具体的には、

リング状の遊具の中で身体を回転させる
後ろ向きに転がる
トランポリン上で転がる、跳ぶ、揺れに耐える
不安定な足場で姿勢を保つ
自転車やビリヤードなど、目と手を協調させる
お尻で押し合う遊びで、下半身と体幹を使う

といった動きが見られました。

2026年3月には、揺れるトランポリン上で落ちないようにバランスを取り、転がりながら身体の位置を調整しています。4月には滑りやすい環境でも姿勢を保ち、遊具に応じて身体を調整する姿が記録されています。これは、前庭感覚や固有受容感覚を使って、自分の身体をコントロールする力が育ってきた変化と考えられます。

2.遊び方が広がり、工夫する姿が増えた

当初は、水に飛び込む、滑る、走るなど、感覚刺激を楽しむ遊びが中心でした。その後は、

ハンモックからマットへ飛び込む
マットをゴールに見立ててサッカーをする
ペットボトルに水を入れて流す方向を変える
虫取りで木や竹竿を使う
フリスビーを見て避ける
段ボールを乗り物に見立てる

など、自分なりに目的を考え、道具を工夫して遊ぶ姿が増えています。

身体を動かすだけでなく、「どうすればうまくできるか」「次はこうしてみよう」と考える力や、空間認知、目と身体を連動させる力が育っています。

3.友達や職員との関わりが増えた

初期の記録では、個人で感覚遊びを楽しむ姿が中心ですが、次第に、

友達と競う
追いかけっこをする
サッカーで交互に対戦する
相撲遊びで相手の力加減を感じる
職員を水鉄砲で狙ってやり取りを楽しむ
順番や交代を言葉で伝える

など、人と一緒に遊ぶ経験が広がっています。

2026年3月には、他児から声をかけられると表情が緩み、自然に集団へ入る姿が見られました。5月には、勝ち負けのある遊びを通して、悔しい気持ちや嬉しい気持ちを経験しながら、気持ちを切り替える機会も増えています。

4.自分の意思を伝える力が伸びた

2026年3月には「トランポリンをしたい」と自分から希望を伝え、7月には、交代を求められた際に「のっていたい!」とはっきり意思表示しています。

これは、単なる拒否ではなく、自分の気持ちや希望を言葉で相手に伝えられるようになってきた成長です。今後は、この自己発信力を大切にしながら、相手の希望も受け入れる経験につなげることが重要です。

5.興味や探索の範囲が広がった

6月末の虫探しでは、カエル、トンボ、木の上、川の中などに関心を向け、道具を使いながら観察していました。

「見つけたい」「知りたい」という気持ちが強く、自然環境の中で、

観察する
試す
考える
道具を使う
発見を楽しむ

という探索活動につながっています。これは桜佑君の大きな強みです。

好きなこと

桜佑君が特に好きなことは、次のように整理できます。

身体を大きく動かす遊び
トランポリン
ジャンプ、回転、転がる遊び
ハンモックやスライダー
追いかけっこ
サッカー
自転車
相撲遊び
走ること
水を使った遊び
プール
水鉄砲
水に飛び込むこと
水を浴びること
水を流す、かけるなどの実験的な遊び
水風船や水しぶき
感覚刺激を楽しめる遊び
揺れる
滑る
回転する
不安定な場所でバランスを取る
狭い場所に入る
身体に力を入れる、押す、引く
興味を持って探す活動
虫探し
カエルやトンボなどの生き物
自然観察
道具を使って目的のものを探すこと
人とのやり取りを伴う遊び
友達との競争
追いかけっこ
サッカー
職員との水鉄砲の掛け合い
勝ち負けや駆け引きのある遊び
苦手なこと・配慮が必要なこと

記録上、明確な強い苦手さは多くありませんが、今後の支援上、次の点に配慮が必要です。

1.活動の終了や交代

好きな活動への意欲が強く、トランポリンの交代場面では「のっていたい!」と意思表示しています。

自分の気持ちを伝えられることは大切な成長ですが、夢中になっている活動を終えることや、他者へ譲ることについては、引き続き経験が必要です。

2.気持ちの切り替え

勝敗のある遊びでは、嬉しさや悔しさを経験しています。今後、負けたときや思いどおりにならなかったときに、気持ちを整えて次の行動に移る力を育てる必要があります。

3.身体を大きく使う際の安全調整

高い所から飛び込む、勢いよく走る、回転する、水へ飛び込むなど、ダイナミックな動きを好みます。

意欲や挑戦する力は大きな長所ですが、気持ちが高まったときには、周囲との距離、着地点、遊具の状態などへの注意が弱くなる可能性があります。安全を確保しながら、身体を自分で調整する経験が必要です。

4.疲労や体調への気づき

公園までの徒歩移動では、途中で疲れた様子がありましたが、最後まで歩き切っています。また、体調不良による欠席も記録されています。

頑張り切れる力がある一方で、疲れや身体の状態に気づき、「休む」「助けを求める」「力を調整する」ことも大切になります。

今後の課題
1.感覚を求める動きから、身体を調整する動きへつなげる

桜佑君は、揺れ、回転、水、ジャンプ、スピードなどの前庭感覚を楽しむことが得意です。今後は、その刺激を受けるだけでなく、

止まる
ゆっくり動く
力を加減する
狙った場所へ身体を運ぶ
姿勢を保つ
動きを切り替える

という調整力につなげていくことが課題です。

2.順番、交代、ルールを理解して遊ぶ

友達との関わりが増えているため、今後は、

自分の番を待つ
相手に譲る
交代の見通しを持つ
簡単なルールを守る
相手の気持ちに気づく

といった社会的な経験を、楽しい遊びの中で積み重ねることが重要です。

3.気持ちを言葉で表し、切り替える

「したい」「まだ続けたい」という自己表現は育っています。これをさらに、

悔しい
困った
手伝って
もう一回したい
次はこれがしたい
終わったら交代する

など、具体的な言葉へ広げていくことが必要です。

4.興味を深め、考える活動につなげる

虫、生き物、水、道具への関心が強いため、単に見つけるだけでなく、

どこにいるのか予想する
道具を選ぶ
見つけたものを比べる
絵や言葉で伝える
発見を友達と共有する

といった活動へ発展させることで、観察力、思考力、言語表現力を伸ばせます。

今後の方向性

桜佑君には、本人が「やりたい」と思えるダイナミックな遊びを中心に支援を組み立てることが適しています。

特に、トランポリン、水遊び、サッカー、自然探索などを活用しながら、

前庭感覚・固有受容感覚を十分に満たす
バランス、体幹、力加減、目と身体の協調を育てる
順番や交代、簡単なルールを経験する
自分の気持ちを言葉で伝える
相手の気持ちにも気づく
疲れたときに休む、助けを求める力を育てる

という流れが望ましいです。

桜佑君は、身体を動かすことへの意欲、何度も挑戦する粘り強さ、自分で遊びを工夫する力、人や自然への興味を持っています。今後も、できない部分を直接練習させるよりも、好きな遊びを十分に楽しむ中で、身体の調整力、社会性、自己発信力を自然に育てていくことが大切です。
方針本人が「やりたい」と感じるダイナミックな遊びを主軸に、脊柱の柔軟性と呼吸へのアプローチを深め、感覚統合を促進します。身体の調整力を高めることで、社会的なルールや感情のコントロール、自己発信力の向上を段階的に支援します。
長期目標身体の土台(脊柱・呼吸)を整えることで、自己コントロール力を高め、集団の中でのびのびと自分を表現し、他者と共鳴しながら活動を楽しめるようになる。
短期目標ダイナミックな遊びの中で、動きの切り替え(ストップ&ゴー)や順番の交代を経験し、自分の気持ちを言葉で伝えながら、身体と感情の柔軟性を養う。
提供時間平日:放課後〜17:30、学校休業日:10:00〜16:00

📎 アップロードされたファイル

支援内容の提案

※各項目の「この案を採用する」をチェックしてから「採用案を保存」または印刷すると、選んだ案だけが印刷されます。

項目: 身体の調整力と感覚統合
案1

目標:
相同の動きから身体の正中線を意識し、バランス能力を高める。

内容:
トランポリンやスライダーで、本人がやりたいことをやり切りながら、脊柱の柔軟性を高めます。相同の動き(両手足の連動)から始め、身体の正中線を意識することで、不安定な場所でも姿勢を保つ力を育て、前庭覚や固有受容覚の統合を促します。

領域: 運動・感覚
案2

目標:
固有受容覚への刺激を通して、身体の力加減をコントロールする。

内容:
お尻での押し合いや相撲遊びを通し、身体にグッと力を入れる経験を積みます。脊柱から末端への発達の流れを意識し、自分の身体がどこにあるかを感じる固有受容覚を刺激することで、ダイナミックな動きの中でも怪我を防ぐための自己調整力を養います。

領域: 運動・感覚
案3

目標:
目と身体の協調性を高め、道具を巧みに操る力を育てる。

内容:
自転車やサッカー、虫取り網の使用など、目と身体を連動させる遊びを積極的に行います。視覚情報の処理と身体の動きを一致させることで、空間認知能力を高め、自分のイメージ通りに身体を動かせるワクワク感を成功体験として積み重ねていきます。

領域: 運動・感覚
項目: 順番・交代と対人関係
案1

目標:
遊びの中でタイミングを合わせ、他者との距離感を学ぶ。

内容:
ボールの受け渡しや追いかけっこを通し、相手との距離感やタイミングを身体で覚えます。1対1の関わりから始め、職員や友達とリズムを合わせる心地よさを体験することで、集団の中でも緊張せずに自分の力を発揮できる安心安全な土台を作ります。

領域: 人間関係・社会性
案2

目標:
ルールのある遊びを通し、順番や交代をスムーズに行う。

内容:
トランポリンの交代場面などで、呼吸を整えながら「待つ」経験を促します。見通しを立てるためのオノマトペや視覚的な合図を活用し、やりたい気持ちを尊重しつつ、他者と場を共有するための社会的なルールを楽しい遊びの文脈の中で獲得していきます。

領域: 人間関係・社会性
案3

目標:
勝ち負けのある遊びを通し、感情の柔軟性を養う。

内容:
サッカーや競争遊びで、悔しさや嬉しさを出し切ることを大切にします。感情と身体は連動しているため、脊柱を緩める遊びを並行して行い、負けた時でも「次はこうしてみよう」と前向きに気持ちを切り替えられる心の柔軟性を、身体的アプローチから支援します。

領域: 人間関係・社会性
項目: 感情のコントロールと切り替え
案1

目標:
呼吸のアプローチにより、高まった興奮を自分で鎮める。

内容:
ダイナミックな活動の後に、シャボン玉や水吹き遊びを取り入れ、意識的に「吐き切る」呼吸を行います。しっかり吐くことで脱力を促し、交感神経の過度な高ぶりを抑えることで、活動の終了や次の課題へのスムーズな切り替えができるよう支援します。

領域: 認知・行動
案2

目標:
ストップ&ゴーの遊びで、身体的な自制心を育てる。

内容:
音楽や合図に合わせた「止まる・動く」の遊びを行い、無意識下の衝動をコントロールする練習をします。脊柱の柔軟性を高めることで、身体の固さと連動する「こだわり」や「切り替えの難しさ」を緩和し、環境の変化にも柔軟に対応できる力を育てます。

領域: 認知・行動
案3

目標:
未完了の思いを解消し、満足感を持って活動を終える。

内容:
本人が納得するまで「やり切る」時間を確保し、探索活動や実験的な遊びを応援します。やりたいことをやり切った満足感は、自己肯定感と安心感に繋がります。未完了の思いを残さないよう、終わりの時間を事前に伝え、納得感のある切り替えを促します。

領域: 認知・行動
項目: 感覚過敏の緩和と自己発信
案1

目標:
脊柱への刺激を通し、音や触覚の過敏さを和らげる。

内容:
大きな音への不安や触覚の敏感さに対し、背面の支援(脊柱へのマッサージやマットでの圧迫刺激)を行います。脳幹と繋がる背中の緊張を緩めることで、感覚の防衛反応を軽減し、人混みや新しい環境でも落ち着いて過ごせる身体の土台を整えます。

領域: 言語・コミュニケーション
案2

目標:
自分の状態に気づき、言葉で助けを求められるようにする。

内容:
疲れや不快感を感じた際、「休む」「手伝って」と言葉で伝えられるよう促します。本人の「のっていたい!」という自己主張を大切に受け止めつつ、相手の状況も考慮した具体的な言葉のバリエーションを、リズムやオノマトペを交えて楽しく伝えていきます。

領域: 言語・コミュニケーション
案3

目標:
オノマトペを活用し、動きと連動した発声を促す。

内容:
ジャンプや回転などの動きに「ピョン」「クルッ」と音を合わせ、身体のリズムと言語を一致させます。楽しいワクワク感の中で自然な発声を促し、自分の意図や発見を職員や友達に共有する喜びを積み重ねることで、コミュニケーション能力の向上を図ります。

領域: 言語・コミュニケーション