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基本方針・全体目標 (佐圓 桜佑くんの2026年7月)

サービス種別放課後等デイサービス
年齢・学年10歳
利用者及び家族の意向対人関係・・・いつも母に隠れる、人の多さが苦手
身体関係・・・卵アレルギー、車酔いする、くすぐったがり、大きな音で耳をふさぐ、耳が聞こえすぎる
児童の特徴佐圓桜佑君の1年間の記録を通してみると、身体を大きく動かす遊びを中心に、感覚の受け取り方、身体の調整力、友達との関わり、自分の意思を伝える力が伸びています。 特に、トランポリンや水遊び、サッカーなど、本人が「やりたい」と感じる活動の中で、意欲的に繰り返し挑戦する姿が多く見られました。

1年間の変化
1.身体の使い方が安定してきた

当初から水遊びやスライダー、トランポリンなどを活発に楽しんでいましたが、1年間を通して、単に動きを楽しむだけでなく、姿勢やバランスを調整しながら遊ぶ力が高まっています。

具体的には、

リング状の遊具の中で身体を回転させる
後ろ向きに転がる
トランポリン上で転がる、跳ぶ、揺れに耐える
不安定な足場で姿勢を保つ
自転車やビリヤードなど、目と手を協調させる
お尻で押し合う遊びで、下半身と体幹を使う

といった動きが見られました。

2026年3月には、揺れるトランポリン上で落ちないようにバランスを取り、転がりながら身体の位置を調整しています。4月には滑りやすい環境でも姿勢を保ち、遊具に応じて身体を調整する姿が記録されています。これは、前庭感覚や固有受容感覚を使って、自分の身体をコントロールする力が育ってきた変化と考えられます。

2.遊び方が広がり、工夫する姿が増えた

当初は、水に飛び込む、滑る、走るなど、感覚刺激を楽しむ遊びが中心でした。その後は、

ハンモックからマットへ飛び込む
マットをゴールに見立ててサッカーをする
ペットボトルに水を入れて流す方向を変える
虫取りで木や竹竿を使う
フリスビーを見て避ける
段ボールを乗り物に見立てる

など、自分なりに目的を考え、道具を工夫して遊ぶ姿が増えています。

身体を動かすだけでなく、「どうすればうまくできるか」「次はこうしてみよう」と考える力や、空間認知、目と身体を連動させる力が育っています。

3.友達や職員との関わりが増えた

初期の記録では、個人で感覚遊びを楽しむ姿が中心ですが、次第に、

友達と競う
追いかけっこをする
サッカーで交互に対戦する
相撲遊びで相手の力加減を感じる
職員を水鉄砲で狙ってやり取りを楽しむ
順番や交代を言葉で伝える

など、人と一緒に遊ぶ経験が広がっています。

2026年3月には、他児から声をかけられると表情が緩み、自然に集団へ入る姿が見られました。5月には、勝ち負けのある遊びを通して、悔しい気持ちや嬉しい気持ちを経験しながら、気持ちを切り替える機会も増えています。

4.自分の意思を伝える力が伸びた

2026年3月には「トランポリンをしたい」と自分から希望を伝え、7月には、交代を求められた際に「のっていたい!」とはっきり意思表示しています。

これは、単なる拒否ではなく、自分の気持ちや希望を言葉で相手に伝えられるようになってきた成長です。今後は、この自己発信力を大切にしながら、相手の希望も受け入れる経験につなげることが重要です。

5.興味や探索の範囲が広がった

6月末の虫探しでは、カエル、トンボ、木の上、川の中などに関心を向け、道具を使いながら観察していました。

「見つけたい」「知りたい」という気持ちが強く、自然環境の中で、

観察する
試す
考える
道具を使う
発見を楽しむ

という探索活動につながっています。これは桜佑君の大きな強みです。

好きなこと

桜佑君が特に好きなことは、次のように整理できます。

身体を大きく動かす遊び
トランポリン
ジャンプ、回転、転がる遊び
ハンモックやスライダー
追いかけっこ
サッカー
自転車
相撲遊び
走ること
水を使った遊び
プール
水鉄砲
水に飛び込むこと
水を浴びること
水を流す、かけるなどの実験的な遊び
水風船や水しぶき
感覚刺激を楽しめる遊び
揺れる
滑る
回転する
不安定な場所でバランスを取る
狭い場所に入る
身体に力を入れる、押す、引く
興味を持って探す活動
虫探し
カエルやトンボなどの生き物
自然観察
道具を使って目的のものを探すこと
人とのやり取りを伴う遊び
友達との競争
追いかけっこ
サッカー
職員との水鉄砲の掛け合い
勝ち負けや駆け引きのある遊び
苦手なこと・配慮が必要なこと

記録上、明確な強い苦手さは多くありませんが、今後の支援上、次の点に配慮が必要です。

1.活動の終了や交代

好きな活動への意欲が強く、トランポリンの交代場面では「のっていたい!」と意思表示しています。

自分の気持ちを伝えられることは大切な成長ですが、夢中になっている活動を終えることや、他者へ譲ることについては、引き続き経験が必要です。

2.気持ちの切り替え

勝敗のある遊びでは、嬉しさや悔しさを経験しています。今後、負けたときや思いどおりにならなかったときに、気持ちを整えて次の行動に移る力を育てる必要があります。

3.身体を大きく使う際の安全調整

高い所から飛び込む、勢いよく走る、回転する、水へ飛び込むなど、ダイナミックな動きを好みます。

意欲や挑戦する力は大きな長所ですが、気持ちが高まったときには、周囲との距離、着地点、遊具の状態などへの注意が弱くなる可能性があります。安全を確保しながら、身体を自分で調整する経験が必要です。

4.疲労や体調への気づき

公園までの徒歩移動では、途中で疲れた様子がありましたが、最後まで歩き切っています。また、体調不良による欠席も記録されています。

頑張り切れる力がある一方で、疲れや身体の状態に気づき、「休む」「助けを求める」「力を調整する」ことも大切になります。

今後の課題
1.感覚を求める動きから、身体を調整する動きへつなげる

桜佑君は、揺れ、回転、水、ジャンプ、スピードなどの前庭感覚を楽しむことが得意です。今後は、その刺激を受けるだけでなく、

止まる
ゆっくり動く
力を加減する
狙った場所へ身体を運ぶ
姿勢を保つ
動きを切り替える

という調整力につなげていくことが課題です。

2.順番、交代、ルールを理解して遊ぶ

友達との関わりが増えているため、今後は、

自分の番を待つ
相手に譲る
交代の見通しを持つ
簡単なルールを守る
相手の気持ちに気づく

といった社会的な経験を、楽しい遊びの中で積み重ねることが重要です。

3.気持ちを言葉で表し、切り替える

「したい」「まだ続けたい」という自己表現は育っています。これをさらに、

悔しい
困った
手伝って
もう一回したい
次はこれがしたい
終わったら交代する

など、具体的な言葉へ広げていくことが必要です。

4.興味を深め、考える活動につなげる

虫、生き物、水、道具への関心が強いため、単に見つけるだけでなく、

どこにいるのか予想する
道具を選ぶ
見つけたものを比べる
絵や言葉で伝える
発見を友達と共有する

といった活動へ発展させることで、観察力、思考力、言語表現力を伸ばせます。

今後の方向性

桜佑君には、本人が「やりたい」と思えるダイナミックな遊びを中心に支援を組み立てることが適しています。

特に、トランポリン、水遊び、サッカー、自然探索などを活用しながら、

前庭感覚・固有受容感覚を十分に満たす
バランス、体幹、力加減、目と身体の協調を育てる
順番や交代、簡単なルールを経験する
自分の気持ちを言葉で伝える
相手の気持ちにも気づく
疲れたときに休む、助けを求める力を育てる

という流れが望ましいです。

桜佑君は、身体を動かすことへの意欲、何度も挑戦する粘り強さ、自分で遊びを工夫する力、人や自然への興味を持っています。今後も、できない部分を直接練習させるよりも、好きな遊びを十分に楽しむ中で、身体の調整力、社会性、自己発信力を自然に育てていくことが大切です。
方針本人の「やりたい」という意欲を最優先に尊重し、ダイナミックな遊びを通じて脊柱の柔軟性と呼吸を整え、身体の調整力と社会性の土台を築きます。感覚刺激を十分に満たすことで、自己コントロール力と他者との共鳴力を育みます。
長期目標身体のコントロールを通して感情の柔軟性を高め、集団の中でも自分らしく意思を伝えながら、ルールや他者の存在を認めて活動できる。
短期目標相同の動きから同側・対側の動きへと発展させ、遊びの中での順番待ちや交代を、呼吸を整えながらスムーズに行えるようになる。
提供時間放課後等デイサービス(平日15:00〜17:30、学校休業日10:00〜16:00)

📎 アップロードされたファイル

支援内容の提案

※各項目の「この案を採用する」をチェックしてから「採用案を保存」または印刷すると、選んだ案だけが印刷されます。

項目: 身体の調整力と感覚統合
案1

目標:
相同の動きから身体の正中線を意識し、バランス能力を高める

内容:
大好きなトランポリンで相同の動き(両手両足でのジャンプ)を繰り返し、身体の正中線を意識します。やりたいことをやり切る体験を通して、自分の身体をコントロールする楽しさを味わい、前庭覚を整えることで車酔いや過敏さの緩和に繋げます。

領域: 運動・感覚
案2

目標:
脊柱の柔軟性を高め、固有受容覚への刺激で姿勢保持力を育てる

内容:
さまざまな遊具での回転や後ろ向きに転がる遊びを通し、脊柱の柔軟性を高めます。身体に力を入れる・押すといった固有受容覚への刺激をたっぷり取り入れ、不安定な足場でも姿勢を保てるよう、無意識下での身体の調整力をスモールステップで育てます。

領域: 運動・感覚
案3

目標:
目と手の協調性を高め、ダイナミックな動きの中での安全調整を学ぶ

内容:
自転車やビリヤード、フリスビーなど、目と手を連動させる遊びを強化します。勢いよく走る・飛び込む際に、周囲との距離や着地点を自分で判断できるよう、職員がオノマトペでタイミングを伝え、身体を安全に使いこなす感覚を身につけていきます。

領域: 運動・感覚
項目: 社会性とコミュニケーション
案1

目標:
ボール遊びを通して相手との距離感やタイミングを習得する

内容:
サッカーや水鉄砲での掛け合いを通し、相手との距離感やタイミングを学びます。ボール遊びで目と身体の協調性を高めつつ、1対1の関わりから集団でのルール遊びへ繋げ、自分の意思を伝えながら他者と共鳴する楽しさを育んでいきます。

領域: 人間関係・社会性
案2

目標:
勝ち負けのある遊びで感情の揺れを経験し、他者の存在を認める

内容:
相撲や競争など、勝ち負けのある遊びに挑戦します。悔しい・嬉しいといった感情を身体を動かして発散し、職員が「Yes, and」の姿勢で本人の思いを受け止めることで、順番や交代といった社会的なルールを、納得感を持って受け入れられるよう支援します。

領域: 人間関係・社会性
案3

目標:
集団の中での自己発信力を高め、協力して遊ぶ経験を積む

内容:
友達との追いかけっこや段ボール遊びを通し、役割を交代したり工夫を共有したりする経験を積みます。自分の希望を言葉で伝えつつ、相手の「のっていたい」という気持ちにも気づけるよう、遊びの中での対話や譲り合いの場面を丁寧にサポートします。

領域: 人間関係・社会性
項目: 感情のコントロールと切り替え
案1

目標:
呼吸のアプローチにより、活動の終了や交代をスムーズにする

内容:
呼吸をしっかりと意識し、大きく息を吐き切る呼吸のアプローチを行い、身体の緊張を緩めます。オノマトペを用いた声掛けで見通しを立て、「やりたい」気持ちを尊重しつつ、ストップ&ゴーの遊びを通して、自分自身で動きを止める自制心を養います。

領域: 認知・行動
案2

目標:
脊柱の柔軟性と大きな声の発声で、不安や緊張を緩和する

内容:
人の多さや大きな音への不安に対し、脊柱を緩めるバランスボール遊びや、大きな声を出す発散遊びを行います。身体の背面をリラックスさせることで心の柔軟性を引き出し、新しい環境や変化に対しても、スモールステップで自信を持って臨めるよう導きます。

領域: 認知・行動
案3

目標:
自分の身体の状態に気づき、適切に休息や助けを求められる

内容:
活動に夢中になりすぎる際、呼吸の乱れや疲労に自分で気づけるよう促します。「疲れたら休む」という選択肢を提示し、身体の感覚(内側)に目を向ける習慣をつけます。困った時に「手伝って」と言葉で伝えられるよう、安心安全な関係性を構築します。

領域: 認知・行動
項目: 探索活動とボディイメージの向上
案1

目標:
自然探索を通して道具を使いこなし、微細運動の土台を作る

内容:
自然の中での虫探しを通し、竹竿などの道具を使いこなすことで、脊柱から指先への発達の流れを促します。裸足での活動で足裏のメカノレセプターを刺激し、不安定な場所でも姿勢を保持できる土台を作り、探索意欲を思考力や観察力へと繋げます。

領域: 健康・生活
案2

目標:
狭い場所や高い所での遊びを通し、ボディイメージを確立する

内容:
狭い場所に入ったり、高い所から飛び降りたりする遊びを通し、自分の身体の大きさや位置を把握するボディイメージを育てます。感覚刺激をやり切ることで脳を覚醒させ、自分の身体を思い通りに動かす「身体図式」の形成を、ワクワクする体験の中で促進します。

領域: 健康・生活
案3

目標:
水遊びや実験的な遊びを通し、触覚の統合と創造性を伸ばす

内容:
プールや水鉄砲、水を流す実験遊びを存分に行い、触覚刺激を楽しみながら活動します。水の抵抗を感じて身体を動かすことで、筋感覚や体性感覚を養います。「次はこうしてみよう」という本人の工夫を認め、発見を友達と共有する喜びを大切に支援します。

領域: 健康・生活