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基本方針・全体目標 (田中 秀弥 2026.4)

サービス種別放課後等デイサービス
年齢・学年10歳
利用者及び家族の意向落ち着きがない、こだわりが強い、切り替えができない、聞いていない・見ていない、バランスが悪い・体幹を鍛えてほしい
児童の特徴1年間の変化
1.活動への主体性が高まった

当初から身体を動かすことへの意欲は高く、バランスボール、滑り台、追いかけっこ、水遊びなどを積極的に楽しんでいました。1年を通して、職員に誘われて動くだけでなく、自分から遊びを選び、「やってみたい」「もう一度したい」と繰り返し挑戦する姿が増えています。

特に後半は、山登り、川遊び、沢登り、自然公園での活動など、初めての場所や難しい環境にも自分のペースで取り組み、慎重さを持ちながら前へ進めるようになっています。

2.身体の使い方が安定してきた

前庭感覚や固有受容感覚を求める遊びを好み、ハンモック、トランポリン、滑り台、バランスボール、綱や橋渡りなどを繰り返し経験しています。

その中で、

揺れの中で姿勢を保つ
足元を見て慎重に進む
坂道や石段を自分のペースで登る
走る、止まる、避ける
ボールを打つ、投げる、蹴る
上半身と下半身を連動させる

といった力が伸びています。

記録後半では、滑りやすい川の中でも足元を確認しながら進み、深い場所では自分で慎重に移動するなど、身体の状態や環境に合わせて動きを調整する力も見られています。

3.挑戦する力と達成感が育った

以前は、冷たい水、深い場所、滝の音、足場の悪い場所などに不安や慎重さが見られました。しかし、職員の手を借りたり、様子を見ながら進んだりすることで、少しずつ挑戦できるようになっています。

うまくいかなくても繰り返し取り組み、成功すると喜ぶ姿が増えており、遊びの中で「できた」という自信が育っています。

4.友達との関わりが広がった

当初から他児へ声をかけたり、一緒に遊ぼうと誘ったりする姿がありました。1年を通して、

遊び方を教える
相手とタイミングを合わせる
ボールを投げ合う
追いかけっこやごっこ遊びを楽しむ
秘密基地を一緒につくる
年下の子の世話をする

など、関わり方が広がっています。

特に、相手の様子を見ながら力加減を変えたり、遊びを提案したりする姿から、社会性や協調性の伸びが感じられます。

5.想像力と言葉のやり取りが豊かになった

秘密基地、恐竜ごっこ、宇宙遊び、だるまさんが転んだ、夜の寝床を再現する遊びなど、イメージを膨らませる遊びを楽しんでいます。

ぬいぐるみや身近な物を使って物語をつくったり、自分の経験を遊びに取り入れたりする姿も増えています。職員や他児との会話も活発で、言葉を使って遊びを展開する力が伸びています。

6.疲れや緊張を自分なりに整えられるようになった

活動量が多い一方で、疲れたときにはハンモック、スラックライン、静かな部屋、音楽などを選び、ゆっくり過ごす姿も見られます。

激しく動く活動と落ち着く活動を行き来しながら、自分の身体を整える力が少しずつ育っています。

好きなこと

田中秀弥くんは、特に次のような活動を好んでいます。

身体を大きく動かす遊び
トランポリン
滑り台
追いかけっこ
鬼ごっこ
ハンモック
スラックライン
バランスボール
山登り、沢登り
川遊び、水遊び
泥遊び
綱渡り、橋渡り
ボールや道具を使う遊び
野球
バッティング
ボール投げ
キャッチボール
サッカー
バドミントン
風船バレー
ゴルフ
水鉄砲

特に野球は好きで、打つタイミングを合わせたり、フォームを工夫したりしながら、上達すること自体を楽しんでいます。

感覚を味わう遊び
水の冷たさや流れ
揺れ
滑る感覚
泥や砂の感触
泡、ゼリーなどの触覚遊び
料理や焚き火を通した匂い、味
想像遊び・ごっこ遊び
秘密基地
恐竜ごっこ
宇宙遊び
ぬいぐるみ遊び
生活場面の再現遊び
人との関わり
気の合う友達との遊び
年下の子のお世話
職員とのやり取り
他児に遊び方を教えること
苦手なこと・不安になりやすいこと
1.初めての環境や強い刺激

初めての場所、深い水、滝の音、水流の強さ、滑りやすい岩場などでは、最初に不安や慎重さが見られます。

ただし、すぐに拒否するというより、様子を見たり、職員と一緒に確認したりしながら慣れていくタイプです。

2.足場が不安定な場所

川底、ぬるぬるした石、泥、凹凸のある道などでは、足裏の感覚を確かめながら慎重に進みます。環境によっては、最初に痛さや不快感を訴えることもあります。

3.疲れがあるときの活動

学校後や疲労がある日は、身体を大きく動かすよりも、静かな場所や揺れのある遊びを求めることがあります。

無理に活動量を増やすと、身体の緊張が高まりやすいため、その日の状態に応じた調整が必要です。

4.自分の考えと相手の遊びが合わない場面

友達と遊びたい気持ちは強い一方で、自分がしたい遊びと相手がしたい遊びが違うことがあります。その際、遊びの折り合いをつけることや、相手の提案を受け入れることは、今後も経験を重ねたい部分です。

5.興奮したときの力加減

追いかけっこ、ボール遊び、水遊びなどでは、楽しくなるほど動きが大きくなりやすく、周囲との距離や力加減への配慮が必要になることがあります。

現在の課題
1.身体を状況に合わせて調整する力

身体能力は高まっていますが、速く動く、急に止まる、滑る場所で姿勢を保つ、相手との距離を調整するなど、状況に応じた身体コントロールをさらに育てる必要があります。

2.前庭感覚と固有受容感覚の安定

揺れ、回転、ジャンプ、押す、引く、ぶら下がるなどの刺激を強く求める傾向があります。これらを十分に経験しながら、刺激を求め続けなくても身体が落ち着ける状態につなげることが大切です。

3.疲れや不安への自己理解

「疲れた」「怖い」「少し休みたい」「手伝ってほしい」と自分の状態を言葉で伝える力を育てることが必要です。

4.友達との相談や折り合い

自分の遊びを提案する力はあります。今後は、相手の希望も聞きながら、

順番を決める
役割を分ける
ルールを相談する
遊びを途中で変更する

といった協働する力を育てることが課題です。

5.集中の持続と活動の切り替え

好きな活動には長く集中できますが、興奮が高まった状態から次の活動へ移る際には、見通しや声かけが必要になることがあります。

今後の方向性
1.「やりたい」を出発点にした活動を続ける

秀弥くんは、自分が興味を持った遊びでは、繰り返し挑戦し、工夫しながら力を伸ばすことができます。

野球、水遊び、自然遊び、追いかけっこなど、本人が夢中になれる活動を中心に、身体・感覚・対人面の発達につなげていくことが有効です。

2.自然の中で全身を使う経験を増やす

川、山、森、坂道、石段、ぬかるみなどは、足裏感覚、バランス、空間認知、危険予測、自己調整を育てる良い環境です。

安全を確保しながら、本人が自分でコースや進み方を選べる活動を継続していくことが望まれます。

3.動く活動と休む活動を組み合わせる

活発に動く時間だけでなく、

ハンモック
ゆっくり揺れる遊び
静かな音楽
マットで寝転ぶ
深呼吸
落ち着ける空間

などを活動の中に取り入れ、自分で身体を整える方法を増やしていきます。

4.友達と協力して完成させる遊びを取り入れる

秘密基地づくり、料理、チームでのボール遊び、コースづくりなど、友達と相談しながら進める活動が適しています。

本人のリーダー性を活かしつつ、「教える」だけでなく「聞く」「待つ」「任せる」経験も増やしていくことが大切です。

5.成功だけでなく工夫する過程を評価する

秀弥くんは、繰り返し試してできるようになる経験を多く積んでいます。

「できた」だけでなく、

足元をよく見ていた
力を調整できた
友達を待てた
違う方法を考えた
怖くても少し挑戦できた

といった過程を具体的に認めることで、自己肯定感と挑戦する力がさらに育ちます。

総合まとめ

田中秀弥くんは、身体を動かすこと、自然の中で遊ぶこと、人と一緒に楽しむことを原動力に、1年間で大きく成長しています。

特に、全身運動の安定、挑戦する力、友達との関わり、想像力、自分なりに身体を整える力が伸びています。

今後は、本人の高い活動意欲を活かしながら、身体の力加減や自己調整、友達との相談、疲れや不安を言葉で伝える力を育てていくことが重要です。秀弥くんの「やってみたい」という気持ちを大切にし、安心できる大人や仲間と一緒に、十分に遊び切る経験を重ねていくことが、今後の発達につながると考えます。
方針本人の高い主体性と「やりたい」という意欲を原動力に、身体の土台(脊柱・呼吸)を整えることで、感情のコントロールと社会的な協調性を育みます。自然の中での全身運動や大好きな野球を通じ、無意識下の身体操作を向上させ、自分自身の状態を理解し調整できる力を養います。
長期目標身体の軸(正中線)を安定させ、状況に応じた力加減や感情の切り替えを自分で行えるようになり、仲間と折り合いをつけながら活動を楽しむ。
短期目標脊柱の柔軟性を高めて呼吸を整え、疲れや不安を言葉で伝えながら、ルールのある集団遊びにおいて相手のリズムに合わせることができる。
提供時間放課後(平日)15:30〜17:30、学校休業日 10:00〜16:00

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支援内容の提案

※各項目の「この案を採用する」をチェックしてから「採用案を保存」または印刷すると、選んだ案だけが印刷されます。

項目: 落ち着き・身体のコントロール
案1

目標:
脊柱の柔軟性を高め、感情の波を身体から整える。

内容:
バランスボールやトランポリンで脊柱に刺激を入れ、背面の緊張を緩めます。身体の芯が柔らかくなることで、落ち着きのなさを軽減し、感情を穏やかに保つ土台を作ります。大きな声を出す遊びで呼吸を深くし、身体から安心感を作っていきます。

領域: 健康・生活
案2

目標:
「やりたいことをやり切る」経験を通じ、内面的な満足感から落ち着きを得る。

内容:
本人が選んだ野球や水遊びを、納得いくまで「やり切る」ことを支援します。自発的な活動でエネルギーを出し切ることで、アドレナリンの状態を自分でコントロールし、活動後のリラックス(脱力)へとスムーズに移行できる身体感覚を養います。

領域: 認知・行動
案3

目標:
呼吸のコントロールにより、興奮状態を自分で鎮める力を育てる。

内容:
水吹きやシャボン玉遊びを通じ、「しっかり吐き切る」呼吸を練習します。活動中に興奮が高まった際、意識的に息を吐くことで自律神経を整え、自分の力で「オン」と「オフ」を切り替えられるよう、職員がタイミングを合わせてオノマトペで促します。

領域: 健康・生活
項目: バランス・体幹の強化
案1

目標:
足裏の感覚を刺激し、無意識下で姿勢を保持できる身体を作る。

内容:
川遊びや山登りなど、裸足に近い状態で不安定な地面を歩く経験を重ねます。足裏のメカノレセプターを刺激することで、脳に正しい姿勢のスイッチを入れ、意識しなくても背筋が伸び、バランスを崩しにくい体幹の強さを育てていきます。

領域: 運動・感覚
案2

目標:
「相同の動き」から「同側の動き」へ発展させ、全身の連動性を高める。

内容:
大トランポリンでの両足跳び(相同)で身体の真ん中を意識した後、野球のバッティングや投球のような左右非対称な動き(同側・対側)へと繋げます。身体の軸を意識した連動運動を繰り返すことで、複雑な環境でも転ばないしなやかな身体操作を獲得します。

領域: 運動・感覚
案3

目標:
前庭感覚と固有受容感覚を統合し、ボディイメージを明確にする。

内容:
ハンモックやスラックラインでの揺れ遊びを通じ、自分の身体が空間のどこにあるかを把握する力を高めます。揺れの中で姿勢を保つ経験が、野球の打撃タイミングや、狭い場所での身のこなしといった、状況に合わせた身体の微調整能力に繋がります。

領域: 運動・感覚
項目: 友達との折り合い・社会性
案1

目標:
ボール遊びを通じ、相手との距離感やタイミングを合わせる力を養う。

内容:
大好きな野球やキャッチボールを通じ、相手が受け取りやすい速さや方向を考える練習をします。ボールという道具を介したコミュニケーションで、自分と他者のリズムを合わせる楽しさを学び、社会的な協調性の土台となる「相手を見る力」を育てます。

領域: 人間関係・社会性
案2

目標:
「活用(Yes, and)」の姿勢で、友達と協力して遊びを創造する。

内容:
秘密基地づくりやごっこ遊びにおいて、友達の提案を否定せず「それいいね、じゃあこうしよう」と発展させる関わりを支援します。自分の思いを出しつつ、相手の意図も取り入れる経験を積むことで、集団の中でのリーダーシップと柔軟性を育みます。

領域: 人間関係・社会性
案3

目標:
ルールのある遊びの中で、力加減や順番を調整する力を育てる。

内容:
「だるまさんが転んだ」などのストップ&ゴーの遊びを取り入れ、自分の動きを相手の合図に合わせて制御する練習をします。興奮した時こそ周囲との距離に目を向けるよう声をかけ、年下の子への優しさや、ルールを守ることで得られる達成感を共有します。

領域: 人間関係・社会性
項目: 切り替え・自己理解
案1

目標:
自分の身体の状態(疲れ・不安)を言葉で伝え、休息を選択できる。

内容:
活動中に「今は疲れたかな?」「少しドキドキする?」と問いかけ、自分の内面の感覚に気づく機会を作ります。疲労を感じた時にハンモックや静かな部屋を選んで「休む」ことを肯定的に捉え、無理しすぎず自分を整えるセルフケアの習慣を身につけます。

領域: 健康・生活
案2

目標:
見通しを立てる遊びを通じ、活動の切り替えをスムーズにする。

内容:
次に何をするか、オノマトペや視覚的なイメージを用いて事前に共有します。やりたい遊びを「やり切った」満足感を大切にしつつ、タイマーや終わりの合図を自分で確認する習慣をつけることで、未完了感を残さずに次の活動へ気持ちを切り替える力を育てます。

領域: 認知・行動
案3

目標:
失敗を「工夫の過程」と捉え、挑戦し続ける自己肯定感を育む。

内容:
沢登りや野球でうまくいかない時、脊柱を緩めるアプローチで緊張を解き、「次はどうする?」と一緒に作戦を考えます。「できた」結果だけでなく、足元を慎重に見たことや、違う方法を試したプロセスを具体的に褒めることで、困難に立ち向かう心の柔軟性を養います。

領域: 認知・行動