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基本方針・全体目標 (石橋 瑠夏 2026.4)

サービス種別児童発達支援
年齢・学年3歳
利用者及び家族の意向発語が少ない、体幹が弱い、新しい場所に緊張する
児童の特徴石橋瑠夏さんの記録を、2025年9月から2026年7月までの経過として整理しました。

1年間の経過
利用初期

利用当初は、初めての場所や活動に緊張する様子があり、お母さんと離れた後に「ママ?」と探したり、寂しさを感じたりする場面が見られました。一方で、職員の声かけを受けると少しずつ気持ちを切り替え、興味のある遊びに向かうことができていました。

音の鳴る玩具、砂、水、シャボン玉、トランポリンなど、感覚的に楽しめる遊びへの関心が強く、自分で確かめながら遊ぶ姿が見られました。

中期

場所や職員に慣れるにつれて、活動への参加が安定してきました。大きなトランポリンや滑り台、斜面、アスレチックなどに繰り返し挑戦し、全身を使った遊びを楽しめるようになっています。

また、他児の遊びを見てまねをしたり、自分から「ねえねえ」と声をかけたり、一緒に遊ぼうとする姿も増えました。職員とのやり取りだけでなく、周囲の子どもへの関心が広がっています。

後期

年度後半には、やりたいことを指差しや言葉、視線で積極的に伝える姿が増えました。「これもやってみたい」という意欲が強くなり、遊具、制作、水遊び、砂遊びなど、活動の幅が広がっています。

身体面では、両足跳び、斜面の上り下り、滑り台、トランポリン、乗り物などを繰り返し経験し、バランスや姿勢の安定、身体の使い方に伸びが見られます。手先の活動でも、パズル、ねじ回し、ハサミ、クレヨン、型抜きなどに取り組み、微細運動の経験が増えています。

全体として、不安の強い状態から、安心できる大人や環境を支えに、自分から遊びを選び、人や活動へ関わる姿へと成長しています。

好きなこと
トランポリン、滑り台、斜面、アスレチックなどの全身運動
砂遊び、水遊び、シャボン玉などの感覚遊び
音楽、音の鳴る玩具、アンパンマンの音楽
パズル、ブロック、型抜き、ねじ回しなどの操作遊び
お絵描き、ハサミ、粘土などの制作遊び
他児の遊びを見てまねをすること
職員や友達と追いかけっこやごっこ遊びをすること
自分で試し、できたことを周囲に伝えること
苦手なこと・不安が出やすいこと
保護者と離れる場面

お母さんと離れた直後に寂しさや不安が表れ、「ママ?」と探すことがあります。ただし、安心できる職員の声かけや好きな遊びによって、徐々に切り替えられています。

初めての環境や遊具

高低差のある場所、初めての滑り台、慣れない遊具などでは、慎重になったり不安を示したりすることがあります。無理に進めるよりも、見る、触る、近づくという段階を踏むことで参加しやすくなります。

足元や姿勢の安定

大きなボールを扱う時や斜面、乗り物遊びでは、足元が不安定になったり、つま先を使う姿が見られることがあります。活動そのものは好きですが、身体を安定させながら動く力は引き続き育てていく必要があります。

気持ちや要求の言語化

指差しや視線、短い言葉で希望を伝えられるようになっていますが、状況によっては十分に伝えきれないことがあります。大人が気持ちを言葉にして返す支援が必要です。

今後の課題
1. 安心して離れられる力を育てる

保護者と離れた際の不安を否定せず、安心できる職員、決まった流れ、好きな遊びを手がかりに、気持ちを切り替えられる経験を積み重ねます。

2. 体幹と足元の安定

トランポリン、斜面、滑り台、バランスボール、乗り物遊びなどを通して、足裏全体で支える力や、体幹を安定させながら動く力を育てます。

3. 身体の協調性を高める

両足跳び、手足を使った上り下り、投げる、受ける、押す、引くといった遊びを取り入れ、上肢と下肢、目と手、左右の身体を協調して使う経験を増やします。

4. 人とのやり取りを広げる

友達への関心が高まっているため、追いかけっこ、ごっこ遊び、順番遊び、物の貸し借りなどを通して、「一緒にすると楽しい」という経験を増やします。

5. 気持ちや希望を伝える力

「やりたい」「もう一回」「手伝って」「嫌」「終わり」など、遊びの中で使いやすい言葉を大人が補いながら、意思表示の幅を広げます。

6. 手先の操作性

パズル、ねじ、ハサミ、粘土、クレヨン、シールなど、本人が興味を持つ活動を通して、指先の力加減や両手の協調、目と手の連動を育てます。

今後の方向性

瑠夏さんは、興味を持ったことを自分で試し、繰り返しながら身につけていく力があります。初めは慎重でも、安心できる人がそばにいることで挑戦でき、成功すると再び取り組もうとする意欲につながっています。

今後は、苦手なことを直接練習させるよりも、好きなトランポリン、砂、水、音楽、制作遊びなどを入口にして、身体の安定、人とのやり取り、言葉による意思表示へつなげることが大切です。

支援の中心は、次のように整理できます。

「安心できる」
→「自分で選ぶ」
→「やってみる」
→「できたことを人に伝える」
→「友達と一緒に楽しむ」

この流れを繰り返すことで、瑠夏さんの主体性、身体の使い方、コミュニケーション力を総合的に伸ばしていくことが望まれます。
方針安心安全な環境で「やりたいことをやり切る」体験を積み重ね、脊柱の柔軟性と呼吸へのアプローチを通して、心身の土台と自己肯定感を育みます。身体の土台を整えることで、情緒の安定と体幹の向上を図り、自分の気持ちを豊かな言葉や動きで周囲に伝えられるよう支援します。
長期目標身体のコントロールと感情の柔軟性を高め、周囲への興味を広げながら、自分の意図を言葉や動作で明瞭に伝えられるようになる。
短期目標好きな感覚遊びの中で大きな呼吸や相同の動きを取り入れ、足裏で地面を捉える感覚を養いながら、自発的な意思表示の機会を増やしていく。
提供時間60分

📎 アップロードされたファイル

支援内容の提案

※各項目の「この案を採用する」をチェックしてから「採用案を保存」または印刷すると、選んだ案だけが印刷されます。

項目: 新しい環境への不安と緊張
案1

目標:
脊柱の柔軟性を高め、心理的な安心感と柔軟性を育む

内容:
初めての場所や活動で体が固まりやすいため、バランスボールやマット遊びで脊柱を緩める動きを行います。背面が柔らかくなることで、緊張によるフリーズを減らし、新しい環境でも自分らしく過ごせる土台を作ります。

領域: 健康・生活
案2

目標:
呼吸のアプローチを通して、情緒の安定と切り替えを促す

内容:
お母さんと離れる際の不安に対し、シャボン玉や水吹き遊びで「しっかり吐き切る」呼吸を促します。深く吐くことで脱力を促し、アドレナリンの状態を落ち着かせ、好きな遊びへスムーズに気持ちを切り替えられるよう支援します。

領域: 人間関係・社会性
案3

目標:
固有受容覚への刺激により、身体の安心安全を確保する

内容:
不安が強い時は、マットで体を挟む圧迫刺激やシーツブランコを行い、自分の体の境界線を感じる固有受容覚を刺激します。身体が守られている感覚を得ることで、慎重な場面でも「やってみよう」と思える心の余裕を育てます。

領域: 心理的発達
項目: 体幹の弱さと足元の不安定さ
案1

目標:
相同の動き(両足ジャンプ)を通して、身体の正中線を理解する

内容:
大トランポリンで両手・両足を同時に使う相同の動きを繰り返し行います。身体の真ん中(正中線)を意識することで、不安定な場所でも姿勢を保持する力を養い、つま先歩きから足裏全体で支える歩行へと繋げます。

領域: 運動・感覚
案2

目標:
足裏のメカノレセプターを刺激し、無意識下での姿勢保持を促す

内容:
砂場や斜面での裸足遊びを通して、足裏の感覚受容器(メカノレセプター)を活性化させます。足指で地面を掴む感覚を育てることで、大きなボールを扱う際や乗り物遊びでも、ふらつかずに踏ん張れる体幹能力を向上させます。

領域: 健康・生活
案3

目標:
前庭覚への刺激により、バランス能力と空間認知を整える

内容:
エアリアルハンモックや滑り台の逆走を行い、三半規管や前庭覚に多様な刺激を入れます。揺れや高低差を楽しみながら身体をコントロールする経験を積み、初めての遊具や段差に対しても怖がらずに挑戦できる身体バランスを創ります。

領域: 運動・感覚
項目: 発語の少なさと意思表示
案1

目標:
動きとリズムを合わせ、オノマトペを通して発語を促す

内容:
トランポリンの跳躍や追いかけっこに合わせて「ジャンプ」「まてまて」などのオノマトペを職員が添えます。身体のリズムと言葉のリズムを一致させることで、楽しいワクワク感の中から自然と声が出るタイミングを増やしていきます。

領域: 言語・コミュニケーション
案2

目標:
「やりたいことをやり切る」体験から、自発的な要求を育てる

内容:
本人が選んだ遊びを満足するまでやり切ることを最優先します。その中で「もう一回」「貸して」などの要求が出る瞬間を捉え、指差しや視線に言葉を添えて返すことで、自分の意思が相手に伝わる喜びとコミュニケーションの基礎を学びます。

領域: 人間関係・社会性
案3

目標:
口腔機能の発達を促し、明瞭な発声の土台を作る

内容:
吹き戻しや水を使ったブクブク遊びを行い、口の周りの筋肉や吸啜・呼吸のコントロール力を高めます。しっかり吐く力と口の動きを連動させることで、喃語から意味のある言葉への移行と、明瞭な活舌のための土台を整えます。

領域: 言語・コミュニケーション
項目: 手先の不器用さと操作性
案1

目標:
粗大運動から微細運動への「発達の流れ」に沿った支援を行う

内容:
いきなり指先を使うのではなく、アスレチックでのぶら下がりやハイハイを通して、脊柱から肩甲骨、肘へと繋がる発達の流れを促します。近位(体幹)が安定することで、パズルやねじ回しなどの末端(指先)の操作性を向上させます。

領域: 認知・行動
案2

目標:
目と手の協応を高め、道具を扱う楽しさを広げる

内容:
ハサミやクレヨン、型抜き遊びにおいて、目で見たものに手を合わせる「目と手の協応」を支援します。本人の興味に合わせた制作活動の中で、力の入れ抜きを体験し、両手を別々に使う対側の動きや微細なコントロール力を育てます。

領域: 運動・感覚
案3

目標:
模倣遊びを通して、身体図式(ボディイメージ)を確立する

内容:
他児や職員の動きを真似る「ごっこ遊び」や動物模倣を行い、自分の体がどう動いているかを感じるボディイメージを育てます。自分の体の位置を正確に把握することで、ブロックや粘土などの空間的な操作遊びの精度を高めていきます。

領域: 認知・行動