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基本方針・全体目標 (椿井 秀哉)

サービス種別放課後等デイサービス
年齢・学年8歳
利用者及び家族の意向言葉の遅れの不安、片手が使えないことによる他の部分の協調及び連動、身体がしっかり使えるようになる
児童の特徴椿井秀哉君の1年間の様子を整理しました。

1年間の経過
前半:好きな感覚遊びを中心に、安心して身体を動かす

当初から、滑り台、トランポリン、跳び箱、ハンモックなど、身体が大きく動く遊びを好んでいました。特に、滑る、跳ぶ、揺れる、寝転ぶといった遊びを繰り返し、前庭感覚や固有受容感覚への刺激を楽しんでいます。

一方で、川や深いプール、新しい場所では、不安や慎重さが見られました。無理に参加するのではなく、周囲を見たり、浅い場所から試したり、自分で確認してから動き出す姿が多くありました。

中盤:自分から遊びを選び、繰り返し挑戦する姿が増える

秋頃からは、施設に着くと自分から2階へ向かう、好きな遊具を選ぶ、サーキットの内容を自分なりに組み合わせるなど、主体的な行動が増えています。

ハンモック、滑り台、バランスボール、トランポリンなどで、姿勢を変えたり、揺れに合わせて身体を調整したりする姿も見られました。最初は難しかった両足着地や、不安定な場所を渡る動きも、繰り返す中で徐々に安定しています。

また、職員とのタッチ、スキンシップ、追いかけ遊びなどを楽しみ、笑顔やアイコンタクトも増えています。

後半:身体の使い方、判断力、挑戦する力が伸びる

冬から春にかけて、動きがよりダイナミックになりました。滑り台を駆け下りる、マットへ飛び込む、不安定な場所を渡る、バランスボールから床に手をつくなど、身体を予測的に使う力が育っています。

水遊びや屋外活動でも、自分のペースを守りながら新しい環境に挑戦できるようになりました。2026年7月の沢登りでは、初めは沢に入ることへ抵抗がありましたが、水に触れて心地よさを感じた後は、足元を確認しながら少しずつ歩くことができています。最後には、自分で安全な場所を考え、慎重に身体を使いながら進む姿が見られました。

好きなこと
滑り台、特に高い場所から勢いよく滑る遊び
トランポリン、跳び箱、マットへの飛び込み
ハンモック、エアリアルハンモック、バランスボール
揺れる、回る、跳ぶ、滑るなどの前庭感覚遊び
マットにぶつかる、転がる、身体を押しつける遊び
水遊び、砂遊び、裸足で砂や水に触れること
職員との追いかけ遊び、タッチ、スキンシップ
外の景色、車、工事現場などを眺めること
音の出る玩具やボタン操作
口にスポンジやゴムなどを入れて感覚を確かめること
ラムネ、ブラックサンダーなど、好みが明確なおやつ
苦手なこと・慎重になること
深い水、流れのある川、初めての水場
不安定な足場や、先が見えにくい場所
急に新しい活動へ誘われること
自分のタイミングではない働きかけ
他児が多く、使いたい遊具が混雑している状況
手をつながず、一人でバランスを取る場面
食感や好みに合わないおやつ
身体や衣服が不意に濡れること
疲労時や体調不良時に活動を継続すること

ただし、苦手なことを完全に避けるのではなく、見学する、触って確かめる、職員と一緒に行うなど、段階を踏むことで参加できています。

課題
1. バランス能力と姿勢調整

揺れや傾斜には強い興味がありますが、不安定な場所では、手の支えや職員の介助を求めることがあります。特に片手が使えない状態や、足場が変化する場面では、姿勢を保つことが難しい様子があります。

2. 身体の位置や力加減の把握

活動量や筋力が増え、動きが大きくなっています。そのため、自分の身体の大きさ、速度、着地位置、周囲との距離を把握し、安全に止まる力を育てていく必要があります。

3. 新しい環境への適応

初めての場所や活動では、不安が先に立つことがあります。安心できる大人と一緒に確認し、自分で納得してから進む経験が必要です。

4. 感覚刺激の調整

強い揺れ、衝突、口への刺激などを好みます。感覚を求める行動を否定せず、安全な形で満たすことが重要です。特に、物を口に入れる際は、誤飲や衛生面への配慮が必要です。

5. 他者との遊びの広がり

職員との関係は深まり、アイコンタクトやタッチ、簡単なやり取りが増えています。今後は、他児の存在を意識する、一緒に同じ遊びをする、順番を待つなど、集団の中での経験を少しずつ広げることが課題です。

6. 自分の意思を伝える力

嫌な時に拒否する、着替えたい時に職員を引っ張るなど、行動で意思を示す力はあります。今後は、指差し、表情、身振り、言葉やカードなどを使い、要求や不快感をより分かりやすく伝えられるようにすることが大切です。

今後の方向性
安心を土台にして、本人の「やってみたい」を広げる

秀哉君は、十分に観察し、自分で安全を確認できると、少しずつ挑戦できる子です。急かしたり無理に参加させたりするのではなく、本人が納得して一歩を踏み出す過程を大切にします。

好きな感覚遊びから身体機能を伸ばす

滑り台、トランポリン、ハンモック、バランスボール、水・砂遊びを中心に、

体幹の安定
両足の協調
着地と踏ん張り
身体の位置感覚
バランス調整
危険予測

を自然に育てていくことが有効です。

「止まる・見る・選ぶ」を経験する

動きが活発になっているため、単にたくさん動くだけでなく、

「どこに着地するか見る」
「足場を確認する」
「一度止まって考える」
「自分で安全な道を選ぶ」

という経験を遊びの中に入れていきます。

人とのやり取りを遊びに組み込む

タッチ、追いかけ遊び、ボールの受け渡し、交代遊びなど、秀哉君が楽しいと感じる活動の中で、人を見る、待つ、応じる、伝える力を伸ばします。

感覚を満たした後の落ち着きを大切にする

活発な遊びの後には、ハンモック、マット、クッション、身体を包む遊びなどを取り入れ、興奮から落ち着きへ切り替える経験を積むことが望まれます。

総合的なまとめ

この1年間で秀哉君は、好きな感覚遊びを十分に楽しみながら、自分から活動を選ぶ力、身体をダイナミックに使う力、不安な状況でも少しずつ挑戦する力が大きく伸びています。

特に、最後の沢登りで見られた、足元をよく見て安全な場所を選び、自分のペースで進んだ姿は、感覚面だけでなく、判断力、身体調整力、挑戦する気持ちの成長を示しています。

今後も、秀哉君の慎重さを弱点と捉えるのではなく、**「よく見て、確かめて、自分で決める力」**として大切にしながら、好きな遊びを通して身体と心の発達を支えていく方向がよいと考えます。

好き嫌いがはっきりしている
ペンは殴り書き、工作は苦手だがフォローするとやる。
弟との関係でおもちゃを全部取ってしまう
くずぐり好き
言葉の遅れに関して、擬音の前の呼吸の段階
壁をけることへの対応
トイレは声掛けで座れる 今はおむつ内でしている
足裏の感覚が好き
方針本人の「やりたい」という意欲を最優先に、脊柱の柔軟性と呼吸を整えることで、身体と心の土台作りを行います。感覚遊びを通して、不安感の解消と身体の連動性を高め、自信を持って新しい環境や他者へ関われるよう支援します。
長期目標身体の軸(脊柱)を安定させ、全身をスムーズに動かせるようになることで、感情のコントロールと豊かな自己表現、周囲との協調的な関わりを獲得します。
短期目標「やりたいことをやり切る」経験を積み、相同の動き(両手・両足)から左右別々の動きへの連動を高め、呼吸に合わせた発声や意思表示を増やします。
提供時間放課後等デイサービス提供時間

📎 アップロードされたファイル

支援内容の提案

※各項目の「この案を採用する」をチェックしてから「採用案を保存」または印刷すると、選んだ案だけが印刷されます。

項目: バランス能力と身体の連動
案1

目標:
身体の真ん中(正中線)を意識し、安定した着地や姿勢保持ができる。

内容:
大トランポリンでの両足跳びといった「相同の動き」を繰り返し、身体の中心感覚を育てます。不安定な場所でも脊柱を柔軟に使う遊びを通して、介助なしでバランスを保つ力を養います。

領域: 運動・感覚
案2

目標:
揺れや傾斜に合わせて、無意識に身体を調整する力を高める。

内容:
エアリアルハンモックやバランスボールを使い、前庭感覚を刺激しながら姿勢を整える経験を積みます。脊柱から手足への連動を意識した遊びで、片手での支えが必要な場面でも踏ん張る力を育てます。

領域: 運動・感覚
案3

目標:
足裏の感覚を活性化し、全身の協調性を向上させる。

内容:
裸足で砂場やマットの上を走ることで、足裏のメカノレセプターを刺激します。足裏から股関節、脊柱へと繋がる運動発達の流れを大切にし、滑り台の逆走などで全身を連動させる力を高めます。

領域: 運動・感覚
項目: 言葉の遅れと発声のリズム
案1

目標:
呼吸と動きを合わせ、オノマトペ(擬音)で楽しく自己表現する。

内容:
トランポリンで跳ねるリズムに合わせて「ポンポン」と声を出すなど、身体の動きと発声を連動させます。まずは「やりたい」気持ちを声に出すことから始め、言葉のリズムを身体に浸透させます。

領域: 言語・コミュニケーション
案2

目標:
「吐き切る」呼吸を身につけ、明瞭な発声の土台を作る。

内容:
水吹き遊びやシャボン玉、吹き戻しを使い、息をしっかりと吐き切る練習を行います。口腔機能の発達を促すことで、喃語から意味のある音や言葉への変化を、遊びのリズムの中で支援します。

領域: 言語・コミュニケーション
案3

目標:
要求や感情を、身振りや表情、音を組み合わせて相手に伝える。

内容:
職員との追いかけっこやタッチ遊びの中で、本人の「もっとやりたい」という意図を汲み取ります。嬉しい時の大きな笑い声を呼吸に合わせ、自分の意思が相手に伝わる喜びをたくさん体験します。

領域: 言語・コミュニケーション
項目: 新しい環境への適応と安心感
案1

目標:
脊柱の柔軟性を高めることで、心理的な緊張を緩和する。

内容:
新しい場所や活動への不安(恐怖麻痺反射の影響)に対し、バランスボールで背中を緩めるアプローチを行います。脊柱が柔らかくなることで感情の柔軟性を引き出し、安心感を持って活動へ向かえるよう支えます。

領域: 認知・行動
案2

目標:
「自分で見て、確かめて、決める」プロセスを大切にする。

内容:
初めての場所では無理に誘わず、本人が納得するまで観察する時間を保障します。安心できる職員と一緒にスモールステップで確認し、「自分で決めてやり切った」という成功体験を積み重ねます。

領域: 認知・行動
案3

目標:
感覚統合を深め、不意な刺激に対する過敏さを軽減する。

内容:
マットに挟まれる圧迫刺激やシーツブランコで全身を包み込む遊びを行い、固有受容覚を整えます。身体の境界線をはっきりさせることで、衣服が濡れる等の不意な刺激への不安を和らげ、情緒の安定を図ります。

領域: 認知・行動
項目: 身体の位置感覚と安全な動作
案1

目標:
自分の身体の大きさと周囲の距離を把握し、安全に止まれる。

内容:
マットへの飛び込みや追いかけ遊びを通し、自分の速度と着地位置を予測する力を育てます。ダイナミックな動きの中でも「一度止まって見る」習慣を遊びに取り入れ、ボディイメージを確立していきます。

領域: 健康・生活
案2

目標:
足元や周囲の状況を確認しながら、慎重に身体をコントロールする。

内容:
沢登りやサーキット遊びで、足場をよく見て安全な道を選ぶ経験を繰り返します。固有受容感覚を高めることで、自分の力が今どこに入っているかを感じ取り、危険を予測して動く力を養います。

領域: 健康・生活
案3

目標:
活動のオンとオフを切り替え、興奮を自分で静める経験を積む。

内容:
激しく動いた後は、ハンモックで揺られたりクッションでリラックスしたりする時間を設けます。呼吸を整え、脱力する方法を身体で覚えることで、集団の中でも自分のペースを保てるよう支援します。

領域: 健康・生活
項目: 他者との関わりと社会性の芽生え
案1

目標:
職員や他児とのやり取りを楽しみ、順番やルールに気づく。

内容:
ボールの受け渡しや交代で遊具を使う場面で、相手の存在を意識するきっかけを作ります。1対1の深い信頼関係を土台に、少しずつ他児と同じ空間で遊ぶ楽しさを共有し、集団の中での安心感を広げます。

領域: 人間関係・社会性
案2

目標:
「貸して」「いいよ」などの簡単なコミュニケーションを経験する。

内容:
おもちゃの取り合いが起きた際は、本人の「やりたい」気持ちを受け止めつつ、相手の気持ちも擬人化して伝えます。オノマトペや身振りを使って、自分の要望を平和的に伝える方法をスモールステップで学びます。

領域: 人間関係・社会性
案3

目標:
スキンシップや模倣遊びを通して、対人関係の基礎を築く。

内容:
くすぐり遊びやタッチなど、本人が大好きな身体的接触を通してアイコンタクトを増やします。職員の動きを真似るリズム遊びを行い、他者とタイミングを合わせる心地よさを身体全体で体験します。

領域: 人間関係・社会性