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基本方針・全体目標 (梶原 蓮)

サービス種別児童発達支援
年齢・学年4歳8か月
利用者及び家族の意向力加減がわからない、友達に当たってしまう、体幹が不安定(頭の位置は分かるため鉄棒をくぐれる)、左右が見えていない
児童の特徴母子家庭で母は看護師
■ 好きなこと(興味・ワクワクの源)
ボール遊び全般(投げる・入れる・転がす・当てる)
バッティングマシーン(音・飛ぶ動き・タイミング)
ビー玉遊び(転がる動き・目で追う)
風船遊び(浮く・追いかける・音や動き)
バランスボール・遊具(揺れ・滑るなどの動き)
テント遊び(出入り・空間の変化・やりとり)
エアリアルハンモック(揺れ・包まれる感覚)
水分補給や食事場面も含め「やりとり」がある活動

共通点
「動きがあるもの」「変化するもの」「タイミングや予測が必要なもの」への強い興味

■ 得意なこと(強み)
繰り返し挑戦する力(倒れても何度も起き上がる)
タイミングを感じる力(ボール・機械・落下)
目で追う力(視覚追従・ビー玉・ボール)
楽しさに乗ると集中できる
身体を使った遊びへの参加意欲が高い
小さな成功体験を積み上げていける
自分から「やりたい」と伝える(意思表出)
不安があっても支援があれば挑戦できる

ポイント
「楽しさ × 繰り返し」で発達が伸びるタイプ

■ 現状の苦手なこと(課題)
指先の細かい操作(微細運動)
バランスの不安定さ(特に初めての動き)
高さ・滑りなどへの恐怖(慎重さあり)
身体の使い方のぎこちなさ(力加減・調整)
状況によっては不安が強くなる(周囲確認の言動あり)
初めての動作への見通しの弱さ

👉特徴
「できない」ではなく「まだ身体の準備が整っていない状態」

■ 身体の使い方(発達の視点)
①全体像
体幹・バランスは発達途中(揺れ・支持で安定)
感覚入力(前庭覚・固有受容覚)を強く求めている
視覚と身体の連動が育ってきている段階
②具体的な特徴
揺れ・回転 → 安定感を得る
触る・握る → 身体認識を高める
投げる・追う → 視覚と運動の統合
滑る・登る → 重心移動と体幹強化
③発達の方向性
下半身・体幹 → 安定してきている途中
手先 → まだ粗大運動優位
感覚統合 → 遊びを通して進んでいる

まとめ
「感覚を入れながら身体を作っている最中」

■ 核心(支援の本質)

蓮くんは
「楽しい動きの中で、身体と感覚を統合していく段階」

したがって支援の軸は

楽しい → 継続
継続 → 身体が育つ
身体が育つ → 自信につながる
■ 一言でまとめると

「遊びながら身体を育てている子」
方針本人の「やりたい」という意欲を最優先に、遊びを通して身体の土台(脊柱・呼吸・感覚統合)を整えます。看護師である保護者の視点も踏まえ、原始反射の統合や身体発達の理論に基づいた「根拠のあるアプローチ」を行い、力加減の調整やバランス能力の向上、自己肯定感の醸成を図ります。
長期目標身体の軸(脊柱)を安定させ、自分の身体を思い通りにコントロールできる自信を育むことで、周囲との円滑なコミュニケーションと社会性の基礎を確立する。
短期目標「楽しい」と感じる遊びの中で、大きな動き(粗大運動)から指先の動き(微細運動)への発達を促し、呼吸と動きを合わせることで感情と力のコントロールを習得する。
提供時間60分

支援内容の提案

※各項目の「この案を採用する」をチェックしてから「採用案を保存」または印刷すると、選んだ案だけが印刷されます。

項目: 力加減の調整(対人関係・身体操作)
案1

目標:
モロー反射の統合を進め、衝動的な動きを抑制する

内容:
「闘争・逃避」の反応であるモロー反射を整えるため、全身を大きく開閉するポーズやゆっくりとしたリズム運動を行います。身体を大きく使い切ることで、無意識に入る力を抜き、状況に合わせた適切な出力ができる身体を目指します。

領域: 運動・感覚
案2

目標:
固有受容感覚への刺激により、自分の力の出力を認識する

内容:
重いものを押す、ぶら下がるなどの「力を出し切る」遊びを重点的に行います。筋肉や関節への強い刺激(固有受容覚)を脳に送ることで、自分の身体の限界を知り、お友達と関わる際の「優しい力」の使い分けを身体で学んでいきます。

領域: 人間関係・社会性
案3

目標:
呼吸のコントロールを通して、感情と力の連動を整える

内容:
「吐く」ことを意識した吹き戻しや水吹き遊びを行い、呼吸を整えます。脊柱の柔軟性と呼吸を連動させることで、興奮状態を自分で鎮める力を育て、衝動的に手が出てしまう場面でも、一呼吸置いて落ち着いて行動できるよう支援します。

領域: 健康・生活
項目: 体幹の安定とバランス能力(姿勢保持)
案1

目標:
足裏のメカノレセプターを刺激し、安定した立位を保持する

内容:
裸足での活動を基本とし、不安定なマットや傾斜を歩くことで足裏の感覚受容器(メカノレセプター)を活性化させます。足指から脊柱へと繋がる神経伝達をスムーズにし、無意識下でもふらつかずに姿勢を保てる土台を構築します。

領域: 運動・感覚
案2

目標:
前庭感覚を整え、空間における身体の把握力を高める

内容:
エアリアルハンモックやバランスボールを用いた「揺れ」の刺激を取り入れ、三半規管や前庭覚を養います。頭の位置や身体の傾きを正確に感知できるようになることで、高さのある遊具への恐怖心を和らげ、スムーズな重心移動を促します。

領域: 認知・行動
案3

目標:
相同の動きから同側の動きへ、発達のステップを一段ずつ進める

内容:
まずは両手両足を同時に使う「相同の動き」であるトランポリン跳びで身体の正中線を意識します。そこから、左右を別々に使う登り動作へと繋げ、身体の左右差をなくしながら、しなやかで力強い体幹の連動性を高めていきます。

領域: 運動・感覚
項目: 視覚と身体の協応(左右の認識・視野)
案1

目標:
ATNRの統合を促し、身体の正中線を超えた動きを獲得する

内容:
左右の脳の統合を妨げる反射(ATNR)を整えるため、身体の真ん中(正中線)をまたいで物を取る遊びを行います。左右の手足がバラバラに動くことを防ぎ、視野を広げながら、周囲の状況を素早く察知できる視覚機能を育てます。

領域: 認知・行動
案2

目標:
追従性眼球運動を鍛え、動くものを捉える力を向上させる

内容:
ビー玉転がしや風船を目で追う遊びを通じ、眼筋のコントロール力を高めます。脊柱の柔軟性を保ちながら首を動かさずに目だけで追う練習を重ねることで、ボール遊びのタイミング合わせや、周囲への注意力を多角的に伸ばしていきます。

領域: 運動・感覚
案3

目標:
ビジョントレーニングと粗大運動を組み合わせ、空間認知を広げる

内容:
動くターゲットを狙ってボールを投げるなど、視覚情報と身体の動きを一致させる活動を行います。左右から来る刺激に反応するゲームを通じ、苦手意識のある「左右の確認」を遊びの中で習慣化し、安全に活動できる視野の広さを獲得します。

領域: 認知・行動
項目: 不安の解消と自信の醸成(心理的柔軟性)
案1

目標:
FPRの統合により、新しい環境への安心感を育む

内容:
恐怖麻痺反射(FPR)の影響による緊張を和らげるため、背面のタッピングや脊柱を優しく緩めるアプローチを行います。身体の背面がリラックスすることで「安心安全」を脳が認識し、初めての動作や場所に対しても前向きに挑戦する意欲を引き出します。

領域: 健康・生活
案2

目標:
「やりたい」をやり切る体験を通じ、自己肯定感を高める

内容:
本人が興味を持つテント遊びやバッティングなど、自発的な選択を尊重し、最後までやり遂げるプロセスを支援します。小さな「できた」を職員が即座に承認し、成功体験を積み重ねることで、不安に負けない強い心を身体の底から育てます。

領域: 人間関係・社会性
案3

目標:
オノマトペを用いたリズム遊びで、見通しと安心感を与える

内容:
動きに「ピョン」「ギュッ」などのオノマトペを合わせ、リズムに乗って活動します。言葉と身体のリズムが一致することで、次に起こる動きの予測(見通し)が立ちやすくなり、心理的な緊張を解きほぐしながら、楽しく集団活動に参加できるよう導きます。

領域: 言語・コミュニケーション