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基本方針・全体目標 (無題)

サービス種別児童発達支援
年齢・学年6歳
利用者及び家族の意向言語が出ない、痛みに鈍感、うんちおしっこの時に隠れてする、手先が不器用
児童の特徴倉 陽登くんについて、1年間の記録から見ると、「感覚刺激を楽しむ力」「遊びを自分で作る力」「人との関わりの中で挑戦する力」が大きく育ってきた一年だったと整理できます。特に後半3か月は、4月当初と比べて、職員への発信・友だちとの関わり・身体の使い方・自分で遊びを展開する力に変化が見られます。

倉 陽登くんの1年間の特徴まとめ
1. 本人の好きなこと

陽登くんは、1年を通して感覚をしっかり使う遊びを好んでいます。

特に好きなものは、

エアリアルハンモック
ハンモックで揺れる遊び
マット・斜面・ジャンプ
プール・水遊び
滑り台・ロープ・大型遊具
ワクワクするごっこ遊び
職員や友だちと一緒に笑い合う遊び
カード、制作、描く活動などの静かな遊び

です。

4月当初から、エアリアルハンモックや揺れ刺激を楽しむ様子が多く見られています。
ただし、後半になると、ただ揺られるだけではなく、ハンモックを基地にしたり、マットやロープと組み合わせたり、自分で遊び方を発展させる姿が増えています。

つまり、好きなことは一貫して「身体を使う遊び」ですが、後半はそこに想像力・人とのやりとり・遊びの工夫が加わってきています。

2. 得意なこと
① 感覚刺激を楽しむ力

陽登くんは、揺れ・回転・水・圧・ジャンプなどの刺激を楽しむ力があります。
エアリアルハンモック、ロープ、プール、マット遊びなどで、身体全体を使って遊ぶ姿が多く見られます。

これは、陽登くんにとって身体を動かすことが、単なる運動ではなく、
気持ちを整えること、安心すること、楽しく人とつながることにつながっていると考えられます。

② 自分で遊びを考える力

後半になるほど、職員が設定した遊びに参加するだけでなく、
陽登くん自身が「こうしたい」「これをやってみたい」と遊びを作る場面が増えています。

特に、

ハンモックを使った基地遊び
マットを組み合わせた遊び
水遊びでの工夫
制作やごっこ遊び
職員とのやりとりを楽しむ遊び

など、自分のイメージを遊びにしていく力が育っています。

③ 人との関わりを楽しむ力

4月当初は、好きな遊びに集中して楽しむ姿が中心でした。
後半になると、職員に声をかけたり、友だちの様子を見たり、誘いに応じたりする姿が増えています。

特に後半の記録では、
職員と一緒に笑う、友だちと同じ空間で遊ぶ、遊びの中で順番ややりとりを経験する姿が見られます。

これは大きな成長です。
「ひとりで楽しい」から、少しずつ**「誰かと一緒だともっと楽しい」**へ広がってきています。

④ チャレンジする力

陽登くんは、最初から何でもスムーズにできるタイプというより、
安心できる環境や好きな遊びの中で、少しずつ挑戦していくタイプです。

でも、後半になると、

少し難しい動きに挑戦する
不安があっても職員と一緒にやってみる
できたことを喜ぶ
自分からもう一度やろうとする

という姿が増えています。

これは、身体面だけでなく、心の安心感と自信が育ってきた結果だと考えられます。

3. 苦手なこと
① 見通しが持ちにくい場面

陽登くんは、急な切り替えや、何をするか分かりにくい場面では不安定になりやすい傾向があります。

楽しい遊びから次の活動へ移る時や、本人のイメージと違う流れになった時に、気持ちの切り替えが難しくなることがあります。

そのため、
**「次に何をするか」「あとどれくらいで終わるか」「終わった後に何があるか」**を分かりやすく伝えることが大切です。

② 身体のコントロール

身体を大きく使う遊びは好きですが、
バランス、姿勢保持、力加減、手足の協調運動にはまだ課題があります。

特に、

体幹を安定させる
手足を連動させる
力を入れる・抜くを調整する
姿勢を保ちながら動く
目で見て身体を合わせる

部分には、継続した支援が必要です。

ただし、これは「できない」というより、
好きな遊びの中で経験を重ねることで伸びていく段階です。

③ 気持ちを言葉で伝えること

陽登くんは、楽しい・嫌だ・もう一回したい・不安などの気持ちを、言葉だけで整理して伝えることが難しい場面があります。

そのため、行動や表情、身体の動きで気持ちを表すことがあります。

後半は、職員との信頼関係の中で、以前よりも発信が増えてきています。
今後は、本人の言葉やサインを丁寧に拾いながら、
**「嫌だったね」「もう一回したいんだね」「怖かったけど頑張ったね」**と気持ちを言語化して返す支援が必要です。

4. 課題

陽登くんの今後の課題は、主に4つあります。

① 好きな遊びから身体の土台を育てること

陽登くんは、楽しい遊びの中ではよく動けます。
その強みを活かして、

体幹
バランス
手足の連動
姿勢保持
目と身体の協調
力加減

を育てていくことが大切です。

無理に「訓練」として取り組むより、
ハンモック、マット、ロープ、水遊び、ジャンプ、くぐる・登る・押す・引く遊びの中で自然に育てる方が合っています。

② 気持ちの切り替え

楽しい遊びへの集中力がある反面、切り替えには支援が必要です。

今後は、

終わりの見通しを伝える
次の楽しみを提示する
本人に選択肢を渡す
急に止めず、段階的に終える
「あと1回」「最後にこれをして終わり」と区切る

ことが有効です。

③ 人とのやりとりを広げること

後半3か月では、人との関わりが増えています。
ここをさらに伸ばすためには、集団の中でいきなり頑張らせるよりも、

1対1の安心できる関係

職員を介した友だちとの関わり

同じ遊びを共有する

簡単な役割や順番を経験する

という流れが合っています。

④ 成功体験を積み重ねること

陽登くんは、「できた」「楽しかった」「もう一回やりたい」という経験が増えると、行動が前向きになります。

そのため、課題を直接指摘するよりも、
好きな遊びの中で自然にできることを増やし、できた瞬間をしっかり認める支援が必要です。
方針1年間の成長で育んだ「遊びを作る力」と「挑戦する意欲」を活かし、本人の「やりたい」を最優先に、脊柱の柔軟性と呼吸を整えることで、身体の土台から言語・感覚・感情の統合を促します。
長期目標全身の連動性を高めてボディイメージを確立し、自分の感覚や感情を言葉で表現しながら、周囲と豊かに関わり合える力を育みます。
短期目標好きな感覚遊びの中で脊柱や足裏を刺激し、呼吸とリズムを合わせた発声や、身体の力加減の調整、見通しを持った切り替えができるようになる。
提供時間60分

📎 アップロードされたファイル

支援内容の提案

※各項目の「この案を採用する」をチェックしてから「採用案を保存」または印刷すると、選んだ案だけが印刷されます。

項目: 言語・コミュニケーションへのアプローチ
案1

目標:
身体のリズムと言葉のリズムを融合させ、自然な発声を促す

内容:
大好きなエアリアルハンモックの揺れに合わせ、オノマトペを職員が添えていきます。ワクワクする気持ちを呼吸に乗せて、身体全体で言葉のリズムを獲得できるよう、本人の発信にタイミングを合わせて応じていきます。また大好きな絵を全体で共有しながら言葉と右脳を合わせていきます。

領域: 言語・コミュニケーション
案2

目標:
口腔機能の発達を促し、言葉の明瞭化と発信力を高める

内容:
言語の土台となる脊柱の柔軟性を高める遊びを行いながら、しっかり息を吐き切る「水吹き」や「シャボン玉」を取り入れます。口腔機能を高め、自分の「もう一回」などの意図を音や言葉に乗せて伝える楽しさを共有します。

領域: 言語・コミュニケーション
案3

目標:
1対1の安心できる関係の中で、気持ちの言語化をサポートする

内容:
本人の「やりたい」という意図を丁寧に拾い、「楽しいね」「怖かったね」と気持ちを代弁して返します。相同の動きと発声を連動させる遊びを通じ、身体の動きと感情、言葉が一致していくプロセスを大切に支援します。

領域: 言語・コミュニケーション
項目: 全身の連動と手先の不器用さへの支援
案1

目標:
粗大運動から微細運動への発達の流れを促す

内容:
脊柱から肩甲骨、肘、手首へと繋がる発達の流れを意識し、ぶら下がりやハイハイ遊びを行います。大きな動きをやり切ることで、末端である指先の微細なコントロールや力加減の調整ができる身体の土台を作ります。

領域: 運動・感覚
案2

目標:
相同・同側の動きを通じて、身体の協調性を高める

内容:
大トランポリンでの「相同の動き(両手両足)」で身体の正中線を意識し、そこから「同側の動き」へと発展させます。全身を連動させる遊びの中で、不器用さの改善と、自分の身体を思い通りに動かすボディイメージを育てます。

領域: 運動・感覚
案3

目標:
足裏刺激と体幹の安定により、操作性を向上させる

内容:
裸足での活動を基本とし、足裏のメカノレセプターを刺激して体幹を安定させます。ロープや大型遊具で「引く・登る」といった力を出し切る活動を行い、肩甲骨周りの安定を図ることで、手先の操作性を自然に高めていきます。

領域: 運動・感覚
項目: 痛みの鈍麻と感覚統合の促進
案1

目標:
背面へのアプローチにより、感覚の閾値を適切に整える

内容:
痛みの鈍麻と関連の深い脊柱や背面の固さをとるため、バランスボール等で柔軟性を高めます。呼吸を深く整えながら、身体の感覚を正しく脳へ届けるための土台を作り、自分の身体の状態に気づきやすくしていきます。

領域: 運動・感覚
案2

目標:
多様な感覚刺激をやり切り、感覚の統合を促す

内容:
砂遊びや水遊び、マットに挟まれる圧迫刺激など、本人の好きな感覚刺激を「やり切る」ことを重視します。中枢である脊柱から末端へ感覚を繋げることで、痛みを含む触覚刺激を適切に受容できる力を育てます。

領域: 運動・感覚
案3

目標:
前庭覚と固有受容覚の統合により、身体意識を高める

内容:
エアリアルハンモックでの揺れ(前庭覚)と、シーツブランコ等の包まれる刺激(固有受容覚)を組み合わせます。全身への適切な刺激入力を通じて感覚統合を進め、身体の境界線を明確にすることで、感覚の鈍麻さを緩和します。

領域: 運動・感覚
項目: 気持ちの切り替えと見通しの支援
案1

目標:
満足感と見通しの提示により、スムーズな切り替えを促す

内容:
本人の「やりたいことをやり切る」時間を十分に確保し、満足感を高めます。活動の終わりには「あと1回」と具体的に伝え、ストップ&ゴーの遊びを通して、身体的なブレーキと切り替えの力を育てていきます。

領域: 認知・行動
案2

目標:
心の柔軟性を身体から作り、変化への適応力を養う

内容:
脊柱を緩める遊びで「心の柔軟性」を引き出し、急な変更への不安を和らげます。次に何をするか視覚的に伝えつつ、本人が自ら選択肢から選ぶ場面を作ることで、納得感を持って次の活動へ移れるようサポートします。

領域: 認知・行動
案3

目標:
オノマトペとリズムを用いて、活動の移行をサポートする

内容:
楽しい遊びから移る際は、オノマトペやリズムを用いて切り替えを促します。呼吸を整えてアドレナリンの状態を落ち着かせることで、本人が自分の感情をコントロールし、見通しを持って動けるよう段階的に支援します。

領域: 認知・行動