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基本方針・全体目標 (無題)

サービス種別児童発達支援
年齢・学年4歳
利用者及び家族の意向身体が心配、手先が不器用・階段が怖い・上るのが苦手、片足立ちが苦手
児童の特徴倉 隼登くんは、1年を通して見ると、「身体を大きく使う遊び」「感覚を楽しむ遊び」「人とのやりとりを含む遊び」への広がりが見られます。最初は職員の近くで安心を確認しながら取り組む場面が多かったようですが、後半になるにつれて、自分から遊びを選ぶ、友だちの動きを見てまねる、少し難しい動きにも挑戦する姿が増えています。記録全体は、アップロードいただいた活動記録PDFをもとに整理しています。

1.得意なこと

隼登くんの得意さは、まず全身を使うダイナミックな遊びにあります。
ハンモック、マット、滑り台、平均台、ジャンプ、登る・くぐる・ぶら下がるような活動に興味を持ち、身体を大きく動かしながら楽しむ力があります。

特に、後半になると、ただ動くだけではなく、「どうやったらできるか」を身体で試す力が育ってきています。滑る、登る、降りる、バランスをとる、足元を見ながら進むなど、姿勢を調整しながら遊ぶ姿が増えています。

また、感覚遊びも得意です。
水、泥、泡、スライム、砂など、感触のある遊びに入り込むことができ、手足や全身で刺激を受けながら楽しめています。これは、身体の感覚を使って安心したり、集中したりする力につながっています。

さらに、職員や友だちとの関わりの中で、まねる力・一緒に楽しむ力も見られます。友だちのしている遊びを見て「やってみよう」とする姿や、大人の声かけを受けて活動に参加する姿があり、対人面でも少しずつ広がりが出ています。

2.好きなこと

隼登くんが好きなことは、身体を動かして「おもしろい」「気持ちいい」と感じられる遊びです。

好きな遊びとしては、次のような傾向があります。

・ハンモックやブランコのような揺れる遊び
・マット、滑り台、ジャンプなどの全身運動
・水遊び、泥遊び、泡遊び、スライムなどの感覚遊び
・トンネル、くぐる、登る、隠れるような遊び
・職員や友だちと一緒に行うやりとり遊び
・見立てやごっこにつながる遊び

特に、水や泥、泡などの感覚刺激にはよく反応しており、身体全体で楽しむ姿が見られます。隼登くんにとっては、言葉で「楽しい」と伝えるよりも、身体の動きや表情、繰り返し遊ぶ姿で楽しさを表現するタイプだと考えられます。

3.苦手なこと

苦手さとしては、まず初めての活動や見通しが立ちにくい活動では、不安や慎重さが出やすいことが考えられます。
自分の中で「これならできそう」「ここまでは大丈夫」と感じられるまで、職員の近くで様子を見る、周囲の動きを確認する、少しずつ参加するような姿が見られます。

また、身体面では、バランスをとること、足元を見ながら姿勢を調整すること、体幹を保ちながら動くことに課題が残ります。ダイナミックな動きは好きですが、不安定な場所や細かな身体操作では、まだ支えや声かけが必要な場面があります。

手先や道具を使う活動、ルールや順番を意識する活動も、活動によっては難しさが出やすい部分です。
「やりたい気持ち」が先に出る一方で、順番を待つ、相手に合わせる、最後まで手順を追うといった部分は、今後も丁寧な支援が必要です。

4.1年を通して見えた変化
前半:安心できる人・遊びを軸に参加していた時期

年度前半は、職員との関係を土台にしながら、好きな遊びに参加する姿が中心です。
ハンモック、マット、水遊びなど、感覚的にわかりやすく、身体で楽しめる活動にはよく反応しています。

この時期は、
「楽しい刺激に引き寄せられて参加する」
という姿が強く、まだ活動の広がりや友だちとの関わりは、職員の仲立ちがあると入りやすい段階だったと考えられます。

中盤:好きな遊びから挑戦が広がった時期

夏から秋にかけては、水遊びや外遊び、感覚遊びの中で、自分から動く姿が増えています。
滑る、登る、くぐる、ジャンプするなど、身体の使い方が少しずつ多様になっています。

この頃から、ただ好きな刺激を受けるだけでなく、
「もう一回やってみたい」
「少し難しいけど挑戦してみたい」
という姿が増えてきたように見えます。

後半:自分で選ぶ・友だちを見る・挑戦する姿が増えた時期

後半になると、活動の幅がさらに広がっています。
公園遊び、サーキット、タンポポや自然物を使った遊び、道具を使った活動など、感覚遊びだけでなく、環境を見ながら遊ぶ力も育っています。

特に後半は、
「職員に促されてする」から「自分からやってみる」へ
少しずつ変化していることが大きな成長です。

また、友だちの動きに興味を持ったり、同じ遊びに入ろうとしたりする姿も増えており、対人面でも成長が見られます。

5.4月・5月頃の姿から見える成長

4月以降の記録では、隼登くんがより主体的に遊びへ向かう姿が見えます。
公園遊びや身体を使った活動の中で、職員と一緒に確認しながらも、自分で動きを選び、挑戦する場面が増えています。

以前は、安心できる遊びや好きな刺激に向かうことが中心でしたが、4月以降は、
「どう動くか」
「どこに足を置くか」
「次は何をするか」
を少しずつ自分で考えながら動く力が育ってきています。

これは、体幹やバランス、足裏感覚、目と身体の協応が育ってきたこととも関係していると考えられます。

6.今後の課題

隼登くんの課題は、好きな動きを止めることではなく、好きな動きを土台にして、身体の使い方をより安定させていくことです。

具体的には、次の力を育てていくことが大切です。

・体幹を安定させる力
・足裏で踏ん張る力
・バランスを崩した時に立て直す力
・目で見て身体を合わせる力
・順番やルールを少しずつ受け入れる力
・友だちと同じ場で遊ぶ力
・「やりたい」「いや」「もう一回」などを伝える力

隼登くんは、楽しい遊びの中でこそ力が出やすい子です。苦手なことを練習としてさせるよりも、本人がワクワクする遊びの中に、バランス・体幹・手先・順番・やりとりの要素を自然に入れていく支援が合っています。

まとめ

倉 隼登くんは、1年を通して、身体を使った遊びや感覚遊びを中心に、できることが大きく広がってきました。
前半は、安心できる職員や好きな刺激を頼りに参加する姿が中心でしたが、後半になるにつれて、自分から遊びを選ぶ、友だちの動きを見る、少し難しい動きに挑戦する姿が増えています。

隼登くんにとって大切なのは、
「できないことを直す支援」ではなく、好きな遊びの中で身体と心を育てる支援です。

今後も、揺れる・登る・くぐる・跳ぶ・触る・水や泥で遊ぶといった本人の好きな活動を大切にしながら、体幹、バランス、足裏感覚、手先、やりとりの力を少しずつ育てていくことが、次の成長につながると考えられます。
方針本人の「やりたい」という意欲を最優先に、身体の土台(脊柱・呼吸)を整えることで、身体機能の向上と情緒の安定を図ります。ダイナミックな遊びから、より複雑な全身の連動性や微細な操作へとステップアップし、自信を持って周囲と関われるよう支援します。
長期目標身体の正中線を意識した全身の連動性を高め、バランス能力や手先の器用さを育むとともに、集団の中での自己表現と協調性を養います。
短期目標相同の動きから同側・対側の動きへの移行をスムーズにし、片足立ちや道具操作などの新しい課題にワクワクしながら挑戦し、やり切る体験を積み重ねます。
提供時間60分

📎 アップロードされたファイル

支援内容の提案

※各項目の「この案を採用する」をチェックしてから「採用案を保存」または印刷すると、選んだ案だけが印刷されます。

項目: バランス能力と片足立ちの安定
案1

目標:
前庭覚と固有受容覚を統合し、片足での姿勢保持を安定させる

内容:
大トランポリンでの相同のジャンプから、片足着地やケンケンパへと動きを繋げます。不安定な場所で足裏のメカノレセプターを刺激し、無意識下で姿勢を制御できる身体の土台を遊びの中で創っていきます。

領域: 運動・感覚
案2

目標:
脊柱の柔軟性を高め、重心移動をスムーズにする

内容:
バランスボールでの揺れ遊びや、エアリアルハンモックで身体をひねる動きを行い、脊柱の柔軟性を引き出します。身体の真ん中(正中線)を意識することで、片足立ちの際も軸がぶれずに安定して立てるよう支援します。

領域: 健康・生活
案3

目標:
全身の連動性を高め、動的なバランス感覚を養う

内容:
平均台やスラックラインを使い、足元を見ながら一歩ずつ進む活動を行います。視覚情報と身体の動きを一致させるビジョントレーニングの要素を取り入れ、バランスを崩しても自分で立て直せる力を、楽しみながら獲得していきます。

領域: 認知・行動
項目: 手先の器用さと道具操作
案1

目標:
粗大運動から微細運動への発達の流れを促す

内容:
いきなり指先を使うのではなく、まずはぶら下がりや壁登りで肩甲骨や肘をしっかり使います。近位端が安定することで、スプーンやペンなどの道具を扱う際の末端(手首・指先)のコントロールがスムーズになるよう導きます。

領域: 運動・感覚
案2

目標:
触覚刺激を通して、手先のボディイメージを明確にする

内容:
好きなスライムや泥遊び、泡遊びを継続し、手全体で様々な感触を味わいます。触覚の過敏さを和らげつつ、自分の手がどこまであり、どう動くかというボディイメージを深めることで、細かなつまみ動作や工作への意欲を育てます。

領域: 認知・行動
案3

目標:
目と手の協応動作を高め、意図した通りに手を動かす

内容:
ボールを投げる・受けるといった大きな動きから、トングで物を運ぶなどの小さな動きへ展開します。目で見た目標物に対して正確に手を伸ばす練習を、本人の「やりたい」気持ちに合わせてスモールステップで実施します。

領域: 健康・生活
項目: 集団の中でのやりとりとルール理解
案1

目標:
ボール遊びを通して、相手とのタイミングや距離感を学ぶ

内容:
職員や友だちとのボールの受け渡しを行い、コミュニケーションの基礎となる「待つ」「合わせる」を体験します。相手のリズムを感じることで、集団活動の中での心地よい距離感やタイミングを身体で覚えていきます。

領域: 人間関係・社会性
案2

目標:
ストップ&ゴーの遊びで、身体と感情の切り替えを練習する

内容:
音楽に合わせたダンスや「だるまさんが転んだ」を行い、動きたい衝動を自制する経験を積みます。オノマトペを使った指示でワクワク感を高めつつ、ルールの中で自分の動きをコントロールする楽しさを伝えていきます。

領域: 認知・行動
案3

目標:
友だちの模倣を通して、遊びのレパートリーを広げる

内容:
友だちのダイナミックな動きを「まねっこ」する遊びを取り入れます。他者への関心を「自分もやってみたい」という意欲に繋げ、集団の中で認められる体験を増やすことで、自己肯定感を高めながら社会性を育みます。

領域: 言語・コミュニケーション
項目: 情緒の安定と挑戦意欲の向上
案1

目標:
呼吸と脊柱へのアプローチで、新しい環境への不安を緩和する

内容:
活動の合間にシャボン玉や水吹き遊びを取り入れ、しっかり「吐き切る」呼吸を促します。脊柱が緩むことで自律神経が整い、初めての活動や少し難しい課題に対しても、フリーズせずに前向きに挑戦できる心の余裕を作ります。

領域: 健康・生活
案2

目標:
「やりたいことをやり切る」体験で、自己効力感を育む

内容:
本人が選んだ遊びを最後まで中断せずにやり切れるよう環境を整えます。自分で決めて達成した満足感を大切にし、職員は「Yes, and」の姿勢でその世界観を広げることで、次のステップへ自発的に向かう力を引き出します。

領域: 認知・行動
案3

目標:
感覚統合を深め、安心安全の土台を強固にする

内容:
マットに挟まれる圧迫刺激やシーツブランコでの揺れなど、本人が「快」と感じる感覚刺激を十分に提供します。安心安全な感覚が脳に届くことで、防衛的な緊張が解け、周囲の状況を客観的に捉えて行動できる力を育てます。

領域: 運動・感覚