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基本方針・全体目標 (無題)

サービス種別放課後等デイサービス
年齢・学年10歳
利用者及び家族の意向日常の会話をある程度理解はしているが、難しい言葉は理解できない。発語が少ない(おはよう、こんにちは、お茶、ご飯、いや)
自分の意志が伝えられない。癇癪があり机をたたいたり物をなげたり大きな声を出す。自傷行為もあり(頭をつくえにぶつける)
自分より目線の低い子髪の毛を引っ張る(特に女の子)。水の入っているものを倒す。ご飯をたくさん口に入れすぎる。
排尿は声掛けが必要(1・2時間おき)、服や靴下にこだわり有り(お約束と伝えるとぬげる)
児童の特徴排尿は声掛けが必要(1・2時間おき)、服や靴下にこだわり有り(お約束と伝えるとぬげる)、ダウン症
階段は送り足、人の弁当をみるとひっくりかえしたくなる。

資料は、2025年3月〜2026年5月の活動記録をもとにまとめています。

玉田 あゆむくんの発達・活動のまとめ
1. 長所

あゆむくんの大きな長所は、感覚をしっかり味わいながら、少しずつ自分のペースで活動に入っていける力です。

水、泥、土、石、芝生、山道、泡、風、音、揺れなど、いろいろな感覚刺激に対して興味をもち、楽しみながら体験する姿が多く見られます。初めての場所や少し不安のある活動でも、職員と一緒に確認しながら進むことで、最後には自分から挑戦できることが増えています。

また、楽しいと感じたことを繰り返して楽しむ力があり、遊びの中で「もう一回」「やってみたい」という意欲が育っています。笑顔や声、表情で気持ちを表す場面も多く、安心できる環境の中では、活動への参加意欲が高まるお子さんです。

2. 好きなこと

あゆむくんは、感覚刺激を楽しめる遊びが好きです。

特に好きな活動としては、次のようなものがあります。

水遊び、泥遊び、川遊び
プール、泡遊び、シャワー、水たまり
トランポリン、エアリアルハンモックなどの揺れ遊び
山歩き、森の中の散策、芝生や石の上を歩く活動
大きなすべり台や小さなすべり台
バケツで水をかける遊び
焼き芋、マシュマロ、お弁当など食に関する楽しみ
音楽鑑賞やコンサートのような聴覚刺激
鬼ごっこやごっこ遊びなど、他児と同じ動きをまねる遊び

水や泥、自然の中での活動では、表情がやわらかくなり、活動に入りやすい様子が見られます。特に、水の冷たさ、泥の感触、泡の感覚、足裏から入る刺激などを楽しむ姿が印象的です。

3. 得意なこと

あゆむくんは、身体全体を使って感覚を受け取りながら動くことが得意です。

特に、以下の力が育ってきています。

① 感覚を楽しむ力

水、泥、泡、風、石、芝生、山道など、さまざまな感覚刺激を楽しめます。特に後半になるほど、足裏や手の感覚だけでなく、全身で感じながら遊ぶ姿が増えています。

② 繰り返し遊ぶ力

一度楽しいと感じた遊びを、何度も繰り返して楽しむことができます。すべり台、泡遊び、水遊び、トランポリンなどで、繰り返しの中から安心感と達成感を得ています。

③ 職員と一緒に挑戦する力

初めは不安がある活動でも、職員と手をつないだり、声かけを受けたりすることで挑戦できます。山道、岩場、川、芝生、坂道など、足元が不安定な場所でも、支援を受けながら進む力がついてきています。

④ 集中して遊ぶ力

ビーチボール、音楽鑑賞、アスレチックなどでは、集中して取り組む姿が見られます。試行錯誤しながら自分で工夫する様子もあり、遊びの中で集中力が育っています。

4. 苦手なこと

あゆむくんは、初めての場所・見通しの立ちにくい活動・足元が不安定な場所に対して、不安が出やすい傾向があります。

具体的には、次のような場面で慎重さや不安が見られます。

初めての場所に行くとき
山道、岩場、坂道、川の中など、足元が不安定な場所
水が冷たい、深さがわからないなど、感覚の予測がしにくい場面
活動のゴールや流れが見えにくいとき
周囲の状況が変わったり、音や人の動きが多かったりするとき
食事場面で、周囲の食べ物が気になるとき

また、座位姿勢や腹臥位姿勢で過敏に反応する場面があり、前庭感覚や固有受容感覚の刺激に対して、身体が緊張しやすい様子も見られます。

5. 1年を通した課題

1年を通しての大きな課題は、安心できる支援の中で、身体のバランス・足元の安定・見通しをもって行動する力を育てることです。

特に必要な課題は、次の4つです。

① 足元の不安定さへの対応

山道、川、岩場、坂道などで、足元を見ながら慎重に進む姿があります。これは悪いことではなく、自分の身体を守るための大切な反応です。今後も、足裏からの刺激を受けながら、バランス感覚を育てていくことが課題です。

② 体幹と姿勢の安定

トランポリンやハンモック、斜面歩き、すべり台などを通して、姿勢を保つ力が育っています。今後も、前庭感覚・固有受容感覚を使いながら、身体の中心を安定させる遊びが必要です。

③ 見通しをもって行動する力

迷路や山道では、「ゴールはどこかな?」と周囲を見渡しながら進む姿が見られました。途中で止まって考える姿もあり、見通しをもつ力が育ってきています。今後も、活動の流れをわかりやすく伝えながら、自分で判断して進む経験が大切です。

④ 安心できる人との関係の中で挑戦する力

あゆむくんは、職員と手をつなぐ、声をかけてもらう、見守ってもらうことで安心して活動に入れます。今後も「無理にさせる」のではなく、「一緒にやってみよう」「できたね」と支えることで、挑戦する力が伸びていきます。

6. 1年を通した変化
前半:安心できる刺激を楽しむ時期

2025年春から夏にかけては、水遊び、泥遊び、トランポリン、ハンモック、川遊びなど、感覚刺激を中心に楽しむ姿が多く見られました。

初めての場所や活動では慎重な様子もありましたが、職員と一緒に進むことで、少しずつ活動に参加できていました。水や泥、泡などの感覚を楽しみながら、身体を動かす経験を重ねていました。

中盤:自然の中での活動が広がった時期

夏から秋にかけては、川、公園、山、森、里山など、活動の場が広がりました。

足元が不安定な場所でも、職員と手をつないだり、声かけを受けたりしながら進む姿が増えています。焼き芋や山遊びなど、季節の活動も楽しむことができ、自然の中で身体を使う経験が広がりました。

後半:自分で考えて動く力が育った時期

冬から春にかけては、活動への参加の仕方に変化が見られました。

迷路では周囲を見渡しながら進んだり、山道では「行ってみる」と表情を見せたり、慎重に確認しながらも自分で進もうとする姿が増えています。岩場や水辺でも、職員の支援を受けながら挑戦する場面が増えました。

特に、2026年4月・5月頃には、足元を確認しながら探索する姿、橋や高い場所で揺れを楽しむ姿、大きな石登りやクライミングに挑戦する姿が見られ、身体の使い方と挑戦する気持ちの両方に成長が見られます。

まとめ

玉田あゆむくんは、水・泥・自然・揺れ・足裏刺激などを通して、身体と感覚を育ててきたお子さんです。

1年前は、感覚刺激を楽しみながらも、初めての場所や不安定な足場では職員の支援が必要な場面が多くありました。しかし、1年を通して、山道や川、岩場、芝生、すべり台、トランポリンなどの活動を重ねる中で、少しずつ自分で周囲を見て、考えて、挑戦する姿が増えてきました。

今後も、あゆむくんにとっては、
「安心できる大人と一緒に、楽しい感覚遊びを通して、身体の安定と自信を育てること」
が大切です。

無理に頑張らせるのではなく、あゆむくんが「楽しい」「やってみたい」と思える活動の中で、バランス感覚、足裏感覚、体幹の安定、見通しをもって行動する力を育てていくことが、今後の支援の中心になります。
方針本人の「やりたい」という意向を最優先に尊重し、感覚遊びを通して身体の土台(脊柱・呼吸)を整えることで、安心安全の確保と情緒の安定を図ります。ダウン症の特性を考慮し、足裏刺激や粗大運動から末端のコントロールへ繋げ、自己抑制力とコミュニケーション能力の芽生えを支援します。
長期目標身体の土台を整えることで、感情のコントロールと基本的な生活習慣を確立し、自分の意志を適切な方法で他者に伝えられるようになる。
短期目標好きな感覚遊びをやり切り、脊柱の柔軟性と呼吸の安定を得ることで、癇癪や不適切な行動を減らし、職員との信頼関係を深める。
提供時間平日放課後および学校休業日の標準的な提供時間

支援内容の提案

※各項目の「この案を採用する」をチェックしてから「採用案を保存」または印刷すると、選んだ案だけが印刷されます。

項目: 感情のコントロールと自傷・他害への対応
案1

目標:
脊柱の柔軟性を高め、心理的な柔軟性を促す

内容:
不安の元となる脊柱の固さをとるため、バランスボール等で背面の柔軟性を高めます。身体が緩むことで、感情の波を穏やかにし、叩く・投げるといった衝動を身体の内側から整えていきます。

領域: 健康・生活
案2

目標:
呼吸のコントロールによる脱力と安定

内容:
大きな声を出す、笛を吹くなどで「吐く」力を育て、呼吸を整えます。しっかりと息を吐き切ることで脱力を促し、癇癪や自傷行為に繋がるアドレナリン過多の状態をニュートラルに戻します。

領域: 認知・行動
案3

目標:
「やり切る」体験による安心安全の確立

内容:
本人の「やりたい」を最後までやり切る体験を積み重ね、安心安全の土台を築きます。満足感を得ることで、自分の思いが伝わらない不安を解消し、落ち着いて過ごせる時間を増やしていきます。

領域: 人間関係・社会性
項目: 対人コミュニケーションと社会性の向上
案1

目標:
ボール遊びを通じた適切な距離感の獲得

内容:
ボールの受け渡し遊びを通して、相手との距離感やタイミングを学びます。他児の髪を引く等の行動に対し、ボールという介在物を使って適切なコミュニケーションの基礎を身体で覚えていきます。

領域: 人間関係・社会性
案2

目標:
オノマトペを用いた意思表示の促進

内容:
動きにオノマトペやリズムを合わせ、身体全体で言葉のリズムを獲得します。嫌な時や要望がある際に、手が出る前に声や音で表現できるよう、楽しい遊びの中で発声と動きを連動させていきます。

領域: 言語・コミュニケーション
案3

目標:
1対1の信頼関係に基づく集団適応

内容:
職員との1対1の関わりで、好きな遊びを徹底的にやり切ります。まずは大人との信頼関係を深め、自分の存在が認められる安心感を得ることで、他児への攻撃的な興味を適切な関わりへと変えていきます。

領域: 人間関係・社会性
項目: 身体の土台作りとバランス能力の向上
案1

目標:
足裏感覚の統合による歩行の安定

内容:
足裏のメカノレセプターを刺激し、無意識下で姿勢を保持できる身体を作ります。裸足での活動や、芝生・石の上を歩く経験を通して、送り足になる階段昇降などの不安定さを足元から改善します。

領域: 運動・感覚
案2

目標:
相同の動きから正中線の理解を深める

内容:
まずは両足で跳ぶ「相同の動き」で身体の中心(正中線)を理解します。トランポリン等で全身を連動させる経験を積み、左右の足をバラバラに使う同側の動きへと繋げ、歩行の安定性を高めていきます。

領域: 運動・感覚
案3

目標:
前庭感覚への刺激による姿勢保持

内容:
脊柱の柔軟性を高める遊びを行い、体幹の土台を整えます。エアリアルハンモック等の揺れ遊びで前庭感覚を刺激し、身体の傾きを察知して自分で姿勢を立て直す力を、遊びの中でスモールステップで育てます。

領域: 健康・生活
項目: 食事・排泄等の基本的生活習慣とこだわり
案1

目標:
口腔機能の発達による適切な食事摂取

内容:
シャボン玉や水吹き遊びを通して、口の周りの筋肉や「息を吐く」機能を高めます。口腔機能が整うことで、食事を詰め込みすぎる癖を改善し、明瞭な発声や適切な嚥下のリズムを身につけていきます。

領域: 健康・生活
案2

目標:
感覚統合によるこだわりへのアプローチ

内容:
服や靴下のこだわりに対し、脊柱へのアプローチや圧迫刺激で感覚の調整を行います。マットで身体を挟むなどの遊びで安心感を与え、過敏さを緩和することで、お約束を守って着脱できる心の余裕を育てます。

領域: 認知・行動
案3

目標:
感覚欲求の充足による不適切行動の軽減

内容:
水の入った物を倒したい等の欲求を、水遊びや泥遊びの中で「やり切る」ことで発散させます。感覚的な欲求を適切な場面で満たし切ることで、食事場面での不適切な行動を減らし、落ち着きを促します。

領域: 健康・生活